第519話 休日の後輩11
平田町駅へと到着した俺と七菜はバス。という移動手段も一瞬はあったのだが――まあ今の気候的には歩いてもいいか。ということになり。そのままバス停の確認などすることなく。駅からショッピングセンターへと歩くことになり。現在は2人で大通りを歩いているところである。
そしてしばらく七菜とぶらぶら話しながら歩いていると――。
「あっ、あれですね」
七菜が前方にある看板を見つけてそう言ってきた。
「です。ってか、2人はどこに居るのか聞いとかないとか」
うん。ショッピングセンター内は広いのでね。ちゃんと聞いておかないと会えないというか。店内でぐるぐる歩き回るのも――ですからね。などと思い俺がつぶやいていると。
「じゃあ、メッセージ入れておきますね」
「了解。助かる」
それから信号待ち中に七菜がささっとメッセージを海織に送ってくれて――。
「あっ、先輩」
「うん?」
どうやら海織からはすぐに返事があったらしい。七菜が俺に自分のスマホを見せつつ。
「1階にあるこの服屋さんに居るみたいです」
そんなことを言ってきたのだった……うん。
「……ファッションに詳しくない俺には難題だな。でもまあ入り口で調べたらか。ってそれ――なんて読むんだ?」
俺は七菜のスマホに表示されている海織からのメッセージ部分に書かれているアルファベットを見つつ言うと――。
「えっと――なんでしたっけ?なんか聞いたことある気がするんですが――私が普段買うところではないですし――そもそもここが私初めてなので、どこに何があるのかがわかりません」
「そりゃそうか」
とりあえず海織と斎宮さんの居場所はわかったのだが――まあ合流までが大変かな?などと思いつつ俺と七菜はショッピングセンター内へと入って行ったのだった。
なお、その後。ショッピングセンター内に俺たちが入ってからの事を簡単に言うと――うん。簡単にである。語る必要はないので……ね。
「どこだ?」
「あれ?ここが――どこですかね?」
「こっちに居るんじゃないの?」
「でも現在地ここ――あれ?これは2階のフロア……うん?」
「違う違う。七菜ここだ。現在地の下に細い線が書いてあって――ここにつながってるから――」
「ひっかけじゃないですか。って私たちが見るのが下手なのか」
「ですかね」
「あれ?でもここですから――今から私たちが行きたいお店は――うん?」
「えっとお店お店――お店どこだ?」
入り口のところでフロアガイドでちょっと手間取っていたのは――秘密である。うん。海織、斎宮さんと合流出来たら問題ないんですよ。ってことで――そんなことがあってから少しして……。
「あっ、楓君。七菜ちゃん発見」
俺と七菜が海織、斎宮さんが居ると言ってきたお店へと到着すると。ちょうど海織がお店の外に居て――はい。合流できました。って……なんか袋持ってるな。結構大きなの持ってるな……と俺が思っていると。
「おっ、楓くん登場だねー。七菜ちゃんもやっほー」
海織と同じく袋を複数持っている斎宮さんもお店から出てきました。
「2人と早かったね」
海織がそんなことを言いつつ俺の横に来ると――。
「まあ、電車はスムーズにそして、乗り換えも早かったからね」
「まあ乗り換え時間が短くてバタバタしましたけどね」
「まあでも乗れるようにはなっているから」
俺と七菜。特に打ち合わせしたわけではないが――ショッピングセンターに来てからの事は一切触れず会話を続けたのだった。すると――。
「ってことで楓君」
「はい?」
「七菜ちゃんの着せ替えしたいから荷物持って」
「—―はい?」
「えっ?私着せ替え?うん!?うん!?」
はい。そんなことがありまして――俺と七菜がちょっとショッピングセンターに入ってから――ということは何もバレなかったのだが。俺に荷物が飛んできて……七菜は2人に腕を持たれて……。
「はい。楓くん私のもよろしくー」
「……了解です」
うん。斎宮さんも自然と俺に荷物を渡して、2人で七菜を挟んで楽しそうに歩き出しました。はい。七菜は――どんな表情かは見えないので――なんともですがね。うん。俺――本当に荷物持ちで呼ばれたのかな?
それからの事を言うと。まあ俺は――荷物持ちなのでのんびりと3人について行くだけです。はい。下手に何かを言ってもなので大人しく荷物持ち担当をしていました。
ってか――勝手に中身を見るのは――なのではっきりとはわからないのだが。
斎宮さんは服と――雑貨などを買ったのはなんとなく袋からわかる。うん。なのだが――海織はこれ……なんでしょうかね?服にしては――大きな袋というか……何か大きな物を買ったのですかね?うん。重さはそこまでないので――毛布?でも今からの時期に?などと俺は渡された荷物が何だろうと思いつつ3人について行ったのだった。
俺がそんなことを思いつつ3人に付いて言っていると……3人はお店へと曲がっていった。そうなると俺はお店の外で荷物の番である。
なんかお店の中から七菜のヘルプ視線を感じなくもないのだが。
まあ俺が入るというのは選択肢に今のところはないので――のんびり待機です。はい。待機中です。
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