第479話 突然県外へ

現在俺たちは――そこそこ賑やかな場所に居る。

まあでも俺が何かその場で盛り上がっている――というわけではないので。


「……何がどうなってこうなったんだっけ?」


俺は――唯一。多分俺と同じ気持ちでいるであろう。思いであるだろう後輩に声をかけてみた。すると――。


「ですね。私も……なんで買い物?だったのに、今ボウリングをしていたのかということと――まあ普通に遊ぶだけならいいかー。と、そりゃ最初は思ってましたが――はい。何といいますか。なんで意味の分からないレベルの人たちに巻き込まれているのか。説明が欲しいです。自信が無くなりかけましたね。はい。ボウリングをって遊びじゃなかったんですか?まあ先輩とするのは楽しかったですよ?」


俺の隣でボールを戻しに行こうとしている七菜が答えてくれた。


「だよな。うん。何でボウリングになったというか――俺は一応止めたんだが……」

「そういえば加茂先輩は始まる前から――なんか複雑そうな顔してましたね?前も来たことあるんですか?」

「来たことあるけど――前よりえげつないことになってる気がする。うん。間違いなく」


俺は隣のレーンを見る。そこでは――まだ戦いが行われている。


「……まあ向こうは3人。こっちは2人ですから――まあ自然とこっちが早く終わるのは予想していましたが……はい。まあ今はなんでボウリングを始める際に加茂先輩がボウリングは平均以下くらいの実力です。って言った私と組みたがっていたかわかりました。なんでだろうなー。って思っていたんですよ。普通宮町先輩と一緒にー。とかになると思ったんですが」

「うん。レベルは合わさないとだよ」

「まあ加茂先輩は下手すぎる気もしますが――」

「……」


後輩に普通に言われて――ちょっとショックを受ける俺。

まあそこまで受けてはないが――うん、今日の成績だとね。はい。言われても仕方ない。と、1人で反省していると――。


「あっ。すみません。対して違わないのに失礼な事言いました。はい。気にしないでください」

「いや、大丈夫。今日は前より酷いから」


俺はそんなことを言いながら七菜と同じく先ほどまで投げていたボールを持った。

それから俺と七菜はボールを元あったところへと返しに行って――借りた靴も脱いで、靴を借りた場所に靴を返しに行った。

靴を返し終えると――。


「ってか。3人さんはまだ3ゲーム目始まったところなんですね」


七菜が盛り上がっている――3人の方を見ながら言う。


「だろうね。うん。めっちゃ真剣に――だから」

「ですね……あまり向こうの話はちゃんと聞いてませんでしたが。何か賭けてるんですかね?」

「さあ?まあはじめの時。1ゲーム目に柊が調子いいみたいな感じの事が聞こえたから――斎宮さんが燃えているのはわかる。そして――海織はさらーっと。2人を抜かそうとしているというか……まあいつも通りというか。楽しんでますね。地味に海織負けず嫌い――というのか。うん。何でもこなしているからそこそこ取りたいというか」

「いやでも3人ともレベルがおかしいと思うのは私だけですか?」

「俺もあれが普通なのかな?ってちょっといろいろ思っていたけど――もう考えないことにした」

「加茂先輩が諦めてるー。ってか加茂先輩」

「うん?」

「どうしますか?このまま3人の試合見てますか?」

「あー、どうしようか?多分そこそこ時間かかりそうだけど――七菜何かこの施設でしたいところあったら行ってもいいと思うけど――」


俺は周りを見ながら七菜に声をかけたのだった。


――――。


さかのぼること数時間前の事。


「—―買い物?」

「うん。せっかく今日はみんな予定が空いているから。名古屋に買い物行こう!ってことになったんだよ。多分もうすぐ七菜ちゃんこっちに来るよ」

「……また俺が知らないところで何か決まっている。だから海織はちょっと出かけそうな服装――って名古屋?」

「うん。ぶらぶら見よ。ってことで沙夜ちゃんと決めた」


俺の横では――もう勝手に人の予定を決めるのが当たり前になっている海織さんが笑顔でそんなことを話しています。はい。

ちなみに30分くらい前に海織は俺の家にやって来ました。そうそう。今日は休日なんですよ。はい。とりあえず4年生始まっての1週間終わったー。というところで……そんな話が出て来た。というところです。はい。俺は休みをのんびり過ごす予定だったんですが――とか思っていると。


――ピンポン。


来客を告げる音が――ってか、ホント今さっき海織から予定を聞いた俺は……何も準備をしていないのだが。うん。めっちゃ部屋着というか。まあ出かけると言っても海織とかみたいにはガラッと変わることはないのだが――でも、うん一応着替えはするけど――って、何もしていない状況で……七菜が俺の部屋へとやって来たのだった。

うん。まだ音を聞いただけだから。七菜が来たという確証はないのだがね。

でも今の海織の話から――99%七菜かな?と思っていると。


俺ではなく。海織の方が早く玄関へと行き……。


「やっほー。七菜ちゃん」

「あっ、はい。こんにちはです。急だったからびっくりしましたけど。買い物は魅力的だったので――って普通過ぎてちょっと気が付くの遅れましたが……ここ加茂先輩の部屋ですよね?」


うん。七菜。良く気が付いた。である。

ちなみに俺は海織が玄関に行ったから――うん。ささっと奥で着替えていたりする。うん。俺の部屋だがね。海織に占領されているんだよ。とか思いつつ。玄関の方から聞こえてくる声を聞きながら俺は準備をしたのだった。


って――なんで海織はギリギリにならないと言ってくれないのか……うん。ホント大変なんですよ。である。

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