第460話 愚痴2
「七菜ちゃん!」
斎宮さんが目標に向かって声をかける。うん、目標でいいだろう。
多分――この後七菜の悲鳴が聞こえる。と俺が思っていると――声に気が付いた七菜が振り返り……。
「……えっ?あっ。斎宮先輩」
「やっほー。お疲れーからの確保ー!」
「—―ふぎゃぁぁ!?」
うん。俺の予想は当たりだった。
少し前まで俺と話していた斎宮さんは前を歩いていたグループ。八人くらいの集まりで、その――あれだ。柊と七菜が居るグループに追いつき……七菜に抱きついたのだった。七菜また斎宮さんにホールドされる。という現状だった。
すると騒いでいたからか。柊も斎宮さんに気が付いたらしく――。
「沙夜?何してるんだ?」
「柊が新入生ナンパしてるって聞いてね」
いやいや斎宮さんよ。何も聞いてないでしょ。見つけたんでしょ。と俺は前から聞こえてくる会話に一人でツッコミつつ――とりあえず俺も前を歩いていたグループに追いついたのだった。
ってかこの場に来て、まず俺がすることと言えば――。
なんか新たに人が増えた!?みたいな感じで突然やって来た俺と斎宮さんを見てキョロキョロしている新入生?と思われる男女に挨拶――ではなく。
現在もホールドされてちょっと苦しそうにしている七菜を助けるべきだろう。だった。斎宮さんは柊と話しているからか。ホールドしている七菜を忘れているらしいので――ね。結構七菜が苦しそうにしていた。
「……斎宮さん周りが驚いてる。っていうか七菜が苦しそうです」
「あっ、ごめんね七菜ちゃん」
俺が声をかけると斎宮さんはすぐに気が付き手を緩めていた。
「だ、大丈夫です――ふー、加茂先輩ナイスです」
斎宮さんに解放された七菜がちょっと周りの空気を多めに吸い込んでいた。
「あれ?楓もか。二人も昼か?」
「まあ昼と言えば昼だけど――って柊は何をしているの?」
「まあ新入生と仲良くだな。さっきクラスが一緒でよ。っかここでじゃだし。じゃあみんなでランチ行くか!」
七菜を助けた後。柊も俺の存在に気が付いて――ってうん。周りでこれ何?という感じで見ている方々はどうしましょうか――と俺がは思っていると。
柊は先へと。食堂方面へと進もうとしたが――。
「私と楓くんは海織ちゃんの手作りお弁当が届くからパスね」
斎宮さんがお断りを入れていた。
「なっ。俺聞いてないぞ?今日は何もないと思って新入生の子たちと――だったのに、マジか。そっちはそっちで行きたいし」
「そもそも柊の分ないから」
「なんでだよ」
「私が断っておいたから」
「なんでだよ!」
「……だよね。そう思ったよ。うん」
斎宮さんと柊の会話を聞きつつ俺がつぶやいていると――。
「っか沙夜。講義が終わったら帰るって言ってなかったか?」
「うん。帰るって言っておかないと。柊が来たらせっかくの海織ちゃんの料理食べる量が減るじゃん」
「こいつ――」
うん。何か揉めてはないが――多分。うん柊と斎宮さんが言い合い……でもないか。とりあえず楽しそうな?会話が始まりました。うん。そういうことにしておきましょう。
斎宮さんニコニコ。柊はいろいろ聞いてねー。という感じでなんか二人の世界—―というか――だから。俺達の周りに居る新入生?と思われる子たち困ってますが。と俺が思っていると……。
「—―加茂先輩。助かりました。窒息するところでした」
七菜が俺の横へと移動してきた。どうやら深呼吸は終了したらしい。
「あー、うん。大変で――ってか七菜もお疲れ」
「はい。疲れました。クタクタですよー。って、聞いてくださいよ!」
「……いきなりなんか始まった」
うん。
俺の横へと来た七菜が――まあうん、いろいろ言いだしたのだった。
「なんで四年生の白塚先輩が一年生と同じ同じ科目に居るんですか!びっくりですよ。講義室に行ったら白塚先輩が居て」
「……まあ再履修だから?」
「まあ講義前は私が気が付いただけで、白塚先輩には気が付かれなかったんですが……」
「今は――一緒に居るね」
うん。今も少し前で斎宮さんと何か言い合ってますね。あっ、柊が斎宮さんに叩かれた。と、柊と斎宮さんの方を俺が見つつ七菜の話を聞いていると――。
「そしたら講義終わった後にいきなり白塚先輩私たちのところに来たんですよ」
「気が付いて……いたのかな?」
うん。何で柊が気が付いたかは俺ではわからないな。と俺は思いつつ――まだまだ何か七菜は言いたそうだったので――とりあえず七菜の話を聞いてみると――。
「その時私たちは一緒にお昼。って話をしていたんですよ。本当は私たちだけで行く予定だったんですよ?白塚先輩は入ってませんでした。なのに今こんな状況です」
「……う、うん」
七菜が周りを見ながら言った。まあなんかおかしなことではないと思うが――何かは起きてるね。と俺が思っていると――。
「何とかしてくださいよー」
「いや――えっと――七菜が反対しているというか。うん。いろいろクレームを言っている割に柊がこのグループに居る理由は?無理矢理柊が居るだけ?」
「……いや――私以外がですね。ってみんなの事忘れてたー!」
と、七菜は。そこまで俺にいろいろ言った後。ハッと振り返り――まあその俺がここにきてからずっと気になっていたというか……。
俺と柊、斎宮さん七菜以外にもまだ6人くらい近くに居ましてね。
その方々は――多分俺と斎宮さん登場で何がどうなってる?人が増えた!?という感じでまあこちらを見て――固まったままでした。はい。
ってその後七菜が慌てて――。
「あわわ。みんないろいろごめん。えっとね。加茂先輩と斎宮先輩。二人も四年生の人で――」
と。まあ残りの方に俺と斎宮さんを紹介――というのがちょっとだけあった。
そんなことがあった後—―。
七菜が俺に柊を連れて行ってくださいよ。的な感じに言っていたのだが――いやまあ七菜は一年生だけでランチをしたいというか。まあ多分柊ではなく斎宮さんなら喜んで行くんだろうなー。だったが……まあ斎宮さんは既に海織のー。というのをみんなに言っているのでね。
それを知っている七菜は柊を回収して欲しい事を俺にコソコソと言ってきたのだが――。
七菜以外の一年生は――。
「っじゃ沙夜が居る時点で俺に宮町さんの手作りが来る可能性はないから――みんな。食堂行くか」
と。柊が言ったため……。
「何がおすすめですか?」
「あっ。食べながらでいいのでサークルの事教えてください」
「白塚先輩の連絡先教えてください」
「あっ。俺もお願いします。いろいろ聞きたいです!」
……うん。柊は柊で一年生に囲まれていたのだった。人気者だなー。であったのだった。
それを見て複雑そうな顔をしている七菜は……うん。今は触れない方がいいかな。うん。
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