第430話 紛失?喪失?2

現在朝から俺の部屋に柊と斎宮さんがやって来た。


そして……まあ既に俺の部屋に居た七菜と顔を合わせたところである。

ってか。七菜はなかなか戻ってこない俺と声がしていたから気になって見に来たのだろう。


ちなみに……。


「先輩。どうしたんですか?なんか賑やか……です……ね?」


と七菜が言った後。俺の前に居た2人は……。


「あれ?七菜ちゃんも朝から楓君ところにいるー。なんで?」


と、言いながら普通に俺の横を通過していく斎宮さん。うん。勝手に室内入場というやつですよ。俺何も言ってないですよ?はい。


「はぁ……」


でも、なんかもう斎宮さんには通過しちゃったし。いいか。ということで。


「柊もどうぞ」

「即助けてくれ楓先生」

「ははは……」


俺は柊も中へと入れてドアを閉めたのだった。


「あれ?楓君まだ朝ご飯?」

「ちょっといろいろありましてね」


俺の家に斎宮さんが入ると机の上の状況を見つつ言った。

ってか斎宮さんまるで自分の部屋かのように床に座り寛いでいるという……まあよく来ているからか。慣れたかとか俺が思っていると……。


「って、七菜ちゃんもこっちで食べていたんだね」

「あっ。はい。いろいろありまして……はい」

「っか楓くん今日海織ちゃんは?」


と、斎宮さんが俺に聞いてきたが……まあここで隠してもなので……。


「海織はただいま実家に帰ってますね。昨日からね。そのうち帰って来ると思うけど……もしかしたらもうすぐ近くに居る可能性もあるけど……」


うん。海織の事なんでね。

神出鬼没というか。突然現れるからね……と俺が思っていると。


「あっ、そうなんだ。ってじゃ七菜ちゃん。海織ちゃんが居ない間に楓くんところに突撃したんだー。なかなか怖いもの知らずで。やるねー」

「ち、違いますよ」


七菜がそう言いながら手を顔の前でわたわたさせていた。

うん。なんか部屋がにぎやかになったが……とりあえずとっとと。俺と七菜は朝ご飯を食べることとした。いや空腹だといろいろ頭が回らないからね。うん。とっとと食べました。


ちなみに柊はガチで本当に焦っているのか。俺たち3人がなんやかんやと話している間。会話に入ってくることはなく。持って来ていたノートパソコンをセットしていた。うん。本当に焦っているみたいですね。

っかあの……柊よ?今は別に大事なものを繋いでないからいいが……勝手にコンセント抜くの止めてもらっていいですかね?普通になんか抜かれているが……まあ今は必死そうだからいいか。抜かれたのもスマホの充電ケーブルだからね。うん。


とまあ、そんな感じで俺と七菜がちょっと遅めの朝ご飯を食べていたら……俺の部屋に柊と斎宮さんが乗り込んできた。

これが現状である。


「楓ー。俺はまず何をしたらいいんだ?とりあえず何度見てもパソコンのフォルダには無いんだが?なあ楓ー」

「ってか七菜ちゃん。なんか海織ちゃんが来てそうな服着てるよね?」

「そ、そうですか?」


うん。さすが斎宮さん。勘がいいというか。よく見ているというか。うん。ってかなんか斎宮さんもう気が付いているんじゃないだろうか……と俺は思いつつ。洗い物をしながら、後ろから聞こえてくる斎宮さんと七菜の会話を聞いていた。

ちなみに柊のヘルプは……今のところ気にしなくていいかな?うん。俺水使ってますからね。これでパソコン濡れたー!壊れた!とかの被害が出ると……まあさらに大変なことになりそうなんでね。下手したら俺も責任というか。一緒に作成だ!みたいなことになってもね。うん。とりあえず今はスルーです。


「楓ー。早く見てくれよー。ホント消えたんだよ。やばいって」


はい。スルーです。もう少しお持ちくださいですね。とか俺が思っていると……。


「うん。この服着てる海織ちゃん見たことある気がする。ってかそもそも七菜ちゃんから海織ちゃんの香りがする」

「あはは……」


……七菜は無言というか……俺の後ろで行われていることなので、どのような状況かはわからないが……何となく苦笑いをしている感じを後ろから俺は感じ……さらに「これどうするんですか。説明した方がいいですかね?」というなんか悲鳴ではないが。そんな心の声が俺には聞こえてきているような気がした。


とまあなんかを俺は後ろからいろいろ感じつつ。片付けが終わったので3人が居る方へと向かうと……。


「楓。なんでデータ消えたんだー。何も俺してないのに……これはマジでヤバイ。データどこ行ったんだー楓先生!」


柊がずっとヘルプを言ってくるな……っかこれはうるさいレベルだな。と俺が思っていると……。


「柊うるさい!ちょっと静かにして?」


うん。柊がパソコンの画面をこちらに見せつつ……いろいろ言ってきていたが。

斎宮さんに怒られていた。

まあなんかさっきからずっと言っているからね。

俺は聞こえないふりをしていたが……ってか斎宮さんと七菜も柊の騒ぎ。悲鳴は聞こえていただろうが……今まで触れてなかったですよね?ちょっとくらい触れてあげて?とか俺は思いつつも……。

うん。柊はそれだけガチで焦っているらしい。っかなんで消えたんだ?と俺が思っていると……。


「あの。先輩?」

「うん?」


七菜が斎宮さんの横から俺の方へと移動してきた。


「早く説明。した方が……いい気がしてきたんですが。ややこしいことになると……ですから」

「……まあ。うん。俺もそんな気がしてきた。なんかホントややこしくなる前に話しておこうか」

「楓くん?七菜ちゃんどうしたのかなー?七菜ちゃん?隠し事かな?」


うん。あの斎宮さんの顔は……既にわかってますよという感じだった。まあですよね。なんとなくわかりますよね。とか俺が思っていると……。


「いやですね……斎宮先輩。加茂先輩お願いします」


俺の隣で七菜がもう無理です。お願いしますと言ってきていたので……。


「はいはい。いやちょっと斎宮さん。朝から七菜がここに居るのには理由があってね……」

「うんうん。楽しそう!早く聞かせて!」


と。俺はなんか変なことが起こる前に七菜がここに居ることを2人にも説明しておくことにしたのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る