第427話 貸し出し中8

名古屋へと買い物へと言っていた俺達。

何故か途中で海織は実家に帰るとやらで別れたので……まあ七菜と2人になっての帰り道。

さらに途中で七菜と海織の荷物が入れ替わっている。という出来事があったが……まあ無事に四日市には到着し。湯の山線の乗り換えにちょっと待ち時間があったが無事に乗り換えも出来て……。


22時43分に近鉄四日市駅を発車。そして22時52分。まあ今なんだがな。

俺と七菜は伊勢川島駅へと降りたところだ。


何人かの人が降りたので人の波の最後尾に俺と七菜は付いて改札を抜けた。


「……」


ちなみに七菜は元気がないというか……途中からホント静かになっていた。


「七菜?」

「は、はい?」


ちょっとビクっと七菜がしつつこちらを見た。


「どうした?」

「えっ……いや。だって。先輩の家に泊めてもらうのは……」

「いやだから大丈夫だって。あっちなみに何もしないから。うん。それは大丈夫」

「いや、それは大丈夫と思ってますよ。加茂先輩は信頼していますから。でも宮町先輩が……電話では優しく言ってくれましたが……実は怒っているとか……」

「いやいや、ホント大丈夫かと。まあ後日……しばらく海織の抱き枕的な事にしばらくなることは覚悟しないとかもだけどね」

「そ、それだけならいいんですが……」

「いや。ホント気にしなくてもいいって。いろいろ言っちゃえば。俺なんか斎宮さんとも2人で泊りで旅行とかあったし。ってこれ前に言わなかった?」

「あっ……そういえば、って先輩……実は……ってやつですか?」


あっやばいと。うん。なんか変な目で七菜に見られた気がしたので俺は慌てて情報を追加した。


「違うからな?あれは……うん。まああれもいろいろというか。海織が勝手に貸し出したというか。まあとりあえずホント気にしなくていいと思うから。とりあえずいつも遊びに来ているみたいな感じでゆっくり休んでくれたらいいから」

「……はい。ありがとうございます」


七菜とそんな会話をしつつ。夜道を歩いて行くと……うん。アパートに到着した。


ガチャ。


俺が自分の部屋の鍵を開けて……ドアを開け。隣で立っている七菜に声をかけた。


「七菜。どうぞ」

「……ホントすみません」

「いいからいいから」


俺が言うと七菜は室内へと入っていった。


「……」

「……」


ってなんか別に七菜とはいつも通りというか。よく2人で居る気がするのだが……なんか変な感じだった。やっぱりあれか。泊りになったというのがか。と俺が思っていると……。


「私ベランダの鍵開けっ放しとかないかなー」


七菜がベランダの方を見つつつぶやいた。


「おいおい。それ不審者で通報されるから。なんかベランダ渡っている人が居るとか見られたら」

「ですよねー。それにしっかり閉めた覚えがあるんですよね。はぁ……すみませんいろいろ」

「まあ海織が帰って来るまでのんびりしてくれればいいから」

「すみません」

「っか。もう遅いし。お風呂どうぞ。あっ、海織の着替えあさっていいから。海織も好きなのつかって良いって言っていたし」

「でも……いいんですかね?」


と。七菜が言った時だった。


♪♪~


俺のスマホが鳴ったため俺が手に取り確認すると……。

うん。ホントあのお方はこの部屋に監視カメラでもしかけているのだろうか?

まあナイスタイミング。とかいうやつであったのだが……と俺は思いつつ。海織からの電話に出た。


「もしもし」

「あっ。楓君もう家?まだ移動中?」

「今さっき着いたところ」

「ならよかった。七菜ちゃん居るよね?多分七菜ちゃん着替えとかどれ使ったらいいかわからないと思うから。代わって」

「了解。ちょうどその話してたんだよ。七菜。海織から」

「へっ?」


俺がスマホを渡すと七菜が話し出した。

そして七菜は、海織の着替えが置いてある方へと移動していった。

まあこれを俺がじろじろ見ていてもなので……俺がバスタオルなどを準備して洗面所に置いてくる。すると、ちょうど七菜の手には着替え一式。という感じの物があった。そしてなんかペコペコしていた……と思ったら。


「すみません。ありがとうございます」


と。言いながら電話を切っていた。


「……ふー。あっ先輩スマホありがとうございます」

「うん。バスタオル洗面所に置いておいたから。あとシャンプーやらは自由に」

「はい。今宮町先輩にも言われました。って私からでいいんですか?」

「どうぞどうぞ」

「すみません」


そう言いながら七菜が小走りで洗面所へと向かって行った。


♪♪


すると今度はメッセージが来た音がしたため。俺が手に持っていたスマホを確認すると……。


「楓君。七菜ちゃんのお風呂覗いたらダメだよ?」

「……何なんだかね。このお方」


うん。俺はそんなことをつぶやきつつ。


「そんなことしません。おやすみ」


と。送り。スマホを充電するためにケーブルに差し込んだ。

充電マークが付いたのを確認するとそれと同時に……。


♪♪


「まあ明日七菜ちゃんに聞くだけだよー。おやすみー」


と。海織からの再度返事があったのだった。

まあ俺は苦笑いというか。なんか言ってるよ。といつものように呆れつつ画面を消したのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る