第356話 接近中×2

進級発表から数日。


あれから海織はなんやかんやで家の事をしているらしく……メッセージはよく来るが。本人は俺のところに来ていない。

うん。なので平和です。


なので俺ものんびり……とか思っていたのだが……俺の1人でのんびりの時間は短かった。


こういうのを唐突にとか言うのかな?


――。


俺が朝起きて……ふとスマホで今日の天気は……とか思っていたら。

ちょうどそのタイミングで1つ目の連絡が来た。


♪♪


「うん?」


朝から海織だろうか……昨日も夜に何回かやり取りしたし。その続き?

?いや、やっぱり今からこっちに来る。とかいう連絡かな……とか思っていたら……

予想していない人物だった。


俺は手に持っていたスマホのメッセージアプリを起動して……メッセージを確認すると……。


「先輩!今から行きます!」


と、言うメッセージが目に入った。


「……はい?」


うん。俺はメッセージを見てまず……自分以外誰も居ない部屋でそんなことをつぶやいたのだった。


ってか誰だよ。とか一瞬思ってしまったが……ちゃんと今は誰からか理解している。いや、ちょっと寝ぼけていたというか。まさかこんなに早くにこっちに来るとか思ってもいなかったからな。


メッセージの送り主は……七菜だった。難波先輩の妹さんである。


そして再度俺はメッセージを確認して……うん。これは……と思いつつ。


「おはよう。えっと……今からというのは。お昼過ぎとか夕方にでしょうか……それとも……」


と、返事を送ってみると……少しして……。


♪♪—―♪♪


「今。名張っていう駅出ました!」


という返事とおはようございます!のスタンプが来た。うん、めっちゃこっちにすでに向かってきていた。

というかすでに大阪府?だよな。うん。多分七菜の実家は大阪府のはず。上本町までしか聞いていなかったから……まあ詳細は不明だが……とりあえず大阪府を出てすでに三重県に入っていることは理解した俺だった。


ってか。来るの早くないか?とか思いつつ……。


「もうこっちで生活するの?」


と、聞いてみると。今度はすぐに……。


♪♪


「はい。お兄ちゃんが早く来て慣れろー。とか言ってましたし。私も卒業式は終わってますので。ってことで親に言ったら即OK出ましたから。まあお兄ちゃんそっちに居ますからね。何とでも言えます。あっ部屋もOKでしたから」


うん。もう今日からお隣さんはやって来るらしい……まだ3月になったばかりなんだが……まあそれは俺が何か言う事ではないか。


とか思いつつとりあえず。着替えやらやらと……朝ご飯を食べることにした俺だった。


そして少ししてテレビを見つつ朝ごはんを食べていると……。


♪♪


「先輩!ところで今は家に居ますか?」


と。七菜からまた連絡が来たため……。


「休みだから普通に居るけど?」


と。返事を返したら……。


♪♪


「じゃ先輩。川島駅?まで迎えに来てください。多分大丈夫ですが。迷うと……ですから」


とそんなメッセージが来たのだった…。いやいやこの前一応……アパートの下見来ていたよな?とか思いつつも……まあもしかしたら荷物とかがあるから……なのだろうか。とぁ思いつつ。


「了解。四日市から湯の山線乗ったら連絡くれたら行くから」


と、返事を返すと……了解!というスタンプが来て……それから少しして……。


俺がそろそろ七菜が四日市に着いたんじゃないだろうか……。

とか思っていたら。10時30分前くらいに……。


♪♪


「四日市駅10時30分の普通電車乗りました!川島到着は……わかりません!」


と連絡が来たため……俺は本棚から時刻表出して……いやまあ大体四日市からは10分弱なんだが……一応調べた。湯の山線……湯の山線……と探して――。


「39分着だな」


と。確認してから……ってか今から出てもちょうどいいか。ということで俺は家を出発して伊勢川島駅へと向かった。


そして七菜が乗ったという電車が着く数分前に駅に到着した俺は……改札のところで待機した。


そしてふと。


そういえば今年は……ダイヤ変更いつなんだろうか……無いのかな?とかちょっと駅の時刻表を見つつ俺は思ったりしていた。


いや近鉄ってね。よくダイヤ変更というか。毎年?くらいでしているのでね。そして3月くらいが一番多いんじゃないかな……とか勝手に思っていたわけで……でも今のところそのような情報はないな……と。


って誰に言っているわけでもないが。改札近くでそんなことを思っていた俺を現実世界に引き戻したのは。踏切の鳴る音と電車の音だった。


伊勢川島駅に近鉄四日市を10時30分に発車してきた普通電車が到着。

数人の人が降りてきて…。


「あっ先輩!お迎えありがとうございます」


長い髪を揺らしつつ。身軽な少女がやって来た。うん。ホント難波先輩には似てないというか……兄妹言われても……だよな。とか思いつつ……。

うん?身軽?と俺が思っていると七菜が俺の前までやって来た。


「お久しぶりです。そしてこれからよろしくお願いします」

「あ。ああ。久しぶりってか。身軽だな。荷物があるから呼ばれたのかと思っていたんだけど……」

「荷物は今段ボールの中で……どこかを運ばれていると思います」

「……まあだよな。そこそこ荷物はあるだろうし」

「はい。今日はとりあえず私のみです」

「なるほど。っかとりあえず……家行くよな?」

「はい。そうします」


と、言うことで俺は七菜とともに家へと向かって歩き出し――。


あれ?ちょっと待てよ。なんか引っかかる……と俺考える。

そして……。


「なあなあ。七菜」

「はい?」

「今日は私のみ。ってさっき言ったよな?」

「えっ?はい。だって荷物は明日……あっ!」


うん。七菜よ…。荷物が明日来るなら……今日来ても……なのでは……?と思っている俺だった。

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