第349話 御朱印巡り4 ~よくある悲鳴~
なんやかんやありまして――。
本日は海織の家に泊まっています。
そして何故か俺は……カピバラを着るはめになっています。
あー、そうそう、少し前まで激痛のマッサージも受けていました。
ってか強制的に受けることになりました。
えっと……海夜のところに来て……風呂入って――。
カピバラしか選択肢がなかったので着て――リビングに行ったら……。
「おお、やっぱり楓君が着るとちょうどだね。七菜ちゃんだとちょっとぶかぶかだったから。ってどう?七菜んちゃんの匂いする?」
「……ノーコメント」
いや、うん。多分このカピバラくん干されていただけなのだろう――ってまあ詳細はわからないのだが……なんかとってもいい香り。海織のところの香りとは違うのがあるような無いような……って状況なので、ノーコメントです。
「くんくん」
すると海織が効果音付きでくっついてきて――確認していた。
「うん。七菜ちゃんの匂い。あっ、日光消毒はしてあるけどね。これ洗うとなかなか乾かないからね。これが無いと楓君今日着る物がなかったからね」
「だから俺は普通に帰れば問題なかったんだと思うんだけど……」
「まあまあって楓君マッサージ先にしてあげるから寝室行こう」
「ご遠慮します」
「ダメです」
と海織に強制的に引っ張られていき――乗られて。押されて……俺悲鳴。
そして足は軽くなったが……なんか俺は疲れた。
ちなみに海織満足してお風呂へと向かって行ったので――俺はその後リビングに1人で戻り……ソファに座っています。うん。現在になりました。
多分海織は激痛抜きのマッサージも上手だと思うのだが……何故かいつも俺には激痛付きなんだよな――うん。なんでだろう?激痛なしで気持ちい方が俺嬉しいのだが……とか思いつつ。リビングでテレビを見ていると――。
「お風呂上りの彼女ですよー」
「……」
なんかテンションの高い子が戻ってきました。ホント風呂上りというか……ちょっと待とうか。
「……海織ホント元気ってか――お願いいだから、バスタオル1枚で来るの止めない?」
「ドキドキするでしょ?」
「ハラハラだよ」
うん。なんでバスタオルだけ巻いて出てくるかな。ですよ。すると……。
「自分の分の服準備し忘れてね。洗濯畳んだ時にこっちに置いたこと忘れてて」
海織がそう言いながら俺の前を通過して――棚の上に置いてあった服などを持った。
「……どうぞ取ったら洗面所にお戻りください」
「今なら楓君が私を襲うチャンスだよ?」
「この子は何を言っているのでしょうか」
「布1枚しかないんだよー。にやにやー」
「風邪ひく前に戻る」
「はーい」
とかなんか海夜とやり取りをして――。
やっと海織が洗面所。風呂場へと戻って行きまして。
それから少しして今度はちゃんと着替えた海織がリビングに戻ってきた。
それからは少し話したりしていて――。
「楓君そろそろ横になろうか」
と海織が言ったところで……ってか聞かれた俺に決定権なく海織に寝室にまた連れて行かれたというね。
そしてまあそれから大人しく寝るのかと思えば……。
「七菜ちゃん暇かな?」
とか海織が言い出しましてね。
なんか突然メッセージを送っていたんですよ。
そして偶然七菜も暇だったらしく――。
♪♪
すぐに海織るのスマホが鳴っていた。
「あっ。七菜ちゃんもお風呂上りだって」
「……七菜も長距離移動したんだからゆっくりさせてあげましょうよ」
「今はくつろいでるよー。だって」
「……」
「あっ。そうだ、楓君写真撮らせて」
「お断りします。ってか、七菜が今この姿見たらなんか揉めそう」
――カシャ。
ちょちょ。なんで話している途中で普通にシャッター音が聞こえるのかな?と俺が思いつつ海織の方を見ると……。
すでに海織はスマホをいじっていて――。
「送った」
「おい」
そして……。
♪♪
今度は俺のスマホが鳴った。俺は自分のスマホを手に取り確認すると――。
「先輩……そんなに私好きなんですか?」
とかいう謎なメッセージが七菜から来ていたので――ちょっと考えてから……。
「海織。何を送った?」
「えっ?今の楓君の写真と。楓君が七菜ちゃんの匂いが嗅ぎたいって着た。って送った」
「おかしいよね?それ下手したらお巡りさん?うん。とりあえずいろいろダメだよね?っか七菜がドン引きしてない!?」
「そうかな?」
「絶対ダメでしょ」
とか海織と言っていたら――。
♪♪~
今度は俺のスマホに電話が……。
俺は画面の文字を見るのが……超超超嫌な状況だったが……無視は……なのでね。一応確認してみると――七菜からだった。
「……」
「楓君かわいい後輩ちゃんだよ?出ないの?」
「絶対怒られるやつじゃん」
「にひひー。どうかなー」
とか海織に言われながら俺は通話ボタンを押した。
「……もしもし」
「あー、変態先輩!」
予想していたより明るい声が聞こえてきた。
「名前がおかしくなった。って七菜。一応聞いてほしいんだが」
「大丈夫ですよー。先輩がJKの匂い嗅ぎたかったとかまあ私の中で止めておいてあげますから」
電話口からは……なんか楽しそうな七菜の声が聞こえてきていた。謎だ。怒れよ。とか思っていると……海織も楽しそうに――耳をこちらにくっつけてきた。
「ってか、今宮町先輩隣に居ますよね?」
と、七菜が聞いて来てすぐ。
「居るよー」
うん。普通に海織が答えていた。
「……ということです」
「イチャイチャ見せつけてきて。この先輩たちは……って加茂先輩も多分あれですよね?お風呂入っていたら着替えがカピバラだったんですよね?」
「ほぼそんな感じ。まあ事前にあったが……」
「っかこれ先輩が着てたんですよね?」
「なんというか――まあ強制的に……そのたまにな」
「なかなか着心地よかったですよ?」
「そりゃ……どうも。というのか。何というかだが……」
「ってか先輩。お願いがあるんですが」
「はい?」
「なんかポーズしているところ写真で送ってください。カピバラになった先輩を待ち受けにします」
「絶対送らん。うん」
「えー、かわいいのにー」
おい。海織。おかしいことになってるぞ。と思いつつ海織を見ると――。
「準備OK」
とか言いつつ。自分のスマホを持っている海織が居た……えっ?である。
それから1時間ほど……大変なことになって――。
「やばいですね!」
電話の向こうではテンション高めの後輩の声
「……」
「でしょー、大変だったよー」
そしてこちらでもテンション高めのお方が……。
現在は……俺のスマホで海織と七菜がなんか話していたが……。
俺は死んだように潰れている。うん。何があったかは聞くでない。というやつだ。
今俺が考えているのは……どうやってこの2人のスマホからあの写真を消すかであった。うん。
無理だろうが――。
この2人のコンビは危険と認定した俺だった。
(いろいろあった日常編おわり)
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