第345話 後輩帰る4 ~白子駅12時12分発~
――12時07分。
楠駅から3人が乗ってきた津新町行きの普通電車は白子駅へと到着した。
そしてホーム上にある特急券の自動券売機で特急券が買えたら。ここで特急に乗るのが一番早く七菜が実家へと向かえるのだが……。
普通電車が白子駅に到着して、俺たちがホームに降りた時にはすでに隣のホームに大阪難波行きの特急が来るというアナウンスが始まっており。
そもそも特急券の自動券売機の前には先客の方がいたので……。
まあうん。俺と海織はもう少し七菜と居ることとなりましたとさ。
「空いているから前の方行こうか」
やっぱり1、2分での乗り換えは特急券持ってないと厳しいか……と俺が思っていると隣に居た海織そんなことを言ってきたので、俺たちはホームの前の方へと移動した。
するとちょうどその時にはじめ予定していた電車。白子駅12時09分発の大阪難波行きの特急。アーバンライナーが到着した。
「ホントすぐに来るんですね」
俺の横で七菜がそんなこと言いつつ電車を見ている。そして特急は1分くらいの停車ですぐに白子駅を発車していった。
そしてその後すぐに白子駅12時12分発の松阪行きの急行がやってきたので、俺たちは急行に乗車。
と俺は急行に乗ってからちょっと引っかかっていた事を海織に聞いた。
「ところで海織」
「うん?なに?」
「さっき、「あれ?白子で降りない?」的な事言ってたけど……なんか白子で予定考えてた?」
「あー、いやね。七菜ちゃん送りがてら。楓くんとお昼ご飯にラーメン屋でも行こうかなー、ってちょっとチェックしてて。まあでも大丈夫。後日改めて楓君を連れまわすからね」
「……連れまわされるのか――」
俺がなんか嫌な未来が……と、思っていると七菜が会話に入って来た。
「ラーメン美味しいですよね」
「うん。昨日テレビでしてたの見てたらね。食べたくなって」
「あー、そういえば昨日グルメの番組見てる時に言ってましたね」
「そうそう。あれ見てたら急に食べたくなってね」
「わかります。テレビとかで見るとなんか急に食べたくなりますよねー」
うん。なんか俺が話し始めたのだが……。
気が付いたらガールズトークになっていたので俺はぼーっと車窓を眺めることとした。
それから少し電車に揺られて――。
12時23分。俺達は津駅に到着した。
「で、お昼どうする?コンビニならホームにあるけど……あー、パン屋とかは上かな?確か改札を出なくても食べれるところが……」
「あー、パンもいいですね。ってことでパン屋に行きたいです。混んでいたら持ち帰りにして電車の中で食べます」
「じゃ、私と七菜ちゃんで先にパン屋さん行くから。楓君よろしくね」
「はい?」
あれ?何故に俺はホームに放置されそうになっている?と思っていたら――。
「楓君は七菜ちゃんの特急券を買ってから来ること。大丈夫、私お店の場所わかってるからね。じゃ先に行ってるよ。行こう七菜ちゃん」
「あっ。はい。じゃ先輩よろしくお願いします」
「えっ――ちょ――」
はい。津駅に降りて1分ほど。
俺はホームに放置されて……。
女の子2人はエスカレーターをあがって行きましたとさ。うん。
まあ……とりあえず――特急券買うか。ということで俺は自動券売機のところへと移動した。
「えっと――45分発……45分発」
俺は複数あった自動券売機から大阪難波行きの電車を探して……発見。そしてお金投入。ってかなんで俺が買っているのだろうか……だが。
まあ、うん。いいか。
俺は上本町まで大人1枚を選んで購入。
ちなみにノンストップなのでひのとりかなー。とか思っていたが。この時間の電車はアーバンライナーだった。
そういえばもうすぐ全部の名古屋大阪のノンストップ特急がひのとりになるらしいが――ってかひのとりそろそろ乗りたいなー。とか思いつつ。特急券を購入した俺はパン屋へと向かった。
てか改札から出ないでというのがポイントだな。こういうお店便利なんだよ。とか思いつつ。お店へと移動して中に入ると……。
「もう食べているよ」
「あっ。楓君こっちこっち」
「先輩。特急券買えましたか?」
「買えた。っか食べるの早いね」
「たまたま席が空いていたので。ならここで食べちゃった方が楽ですからね」
「確かに」
と言いながら七菜がクロワッサンかな?もうほとんど食べられているから……確証はないが…まあ最後の一口を食べつつ言った。
ちなみに海織はスティック状の何かを――うん。パンの名前がわからないですね。とか思っていると……。
「はい。楓君お好きなのどうぞ」
と海織がパンを2つほどこちらに。ってさすが海織。よく俺の事わかってらっしゃる。俺はなんとなくメロンパンとか食べたいなー。とか思っていたのだが。まあ言ってなかったのでなんでもいいかと思いつつ何があるのかと見てみたら……。
海織たちが買ってくれた中にメロンパンがあったのでまず俺はそれを手に取った。ホントさすがでございますよ。
それから俺たちは40分くらいまでパン屋でお昼ご飯を食べて――。
再度ホームへと移動した。
「あっ。七菜。これ特急券」
そしてホームに着いてから俺は特急券を七菜に渡した。
「あっ、ありがとうございます。えっと……車両は……あっちょうどこのあたりですね」
「です」
と七菜が言った時にちょうど到着案内のアナウンスが始まり――。
少ししてゆっくりと津駅に12時45分発の大阪難波行きの特急。アーバンライナーが入って来た。
この特急は停車駅が少ない電車なのでこの津駅を出たら……大阪の鶴橋駅まで止まらない。停車駅が名古屋を出ると。津、鶴橋、大阪上本町、大阪難波なのでね。
四日市をメインで使っているとあまりご縁の無い電車である。
四日市から一部の伊勢志摩方面に行く特急電車はこの電車と連絡していたりするんだけどね。まああまりご縁が俺にはなかった電車です。
そして特急が駅に止まると……。
「じゃ、宮町先輩、加茂先輩ありがとうございました!そしてもう少ししたらよろしくお願いします。また連絡しますね!」
「ああ」
「気を付けてねー」
「はい!」
七菜が車内へと入っていき――。
12時45分発の特急が津駅を発車し。見えなくなるまで俺と海織はホームで電車を見送った。
そして……。
よし。後は帰るだけか。って一度改札出ないとだよな。とか俺が思っていると……。
「じゃあ楓君御朱印巡り行こうか!」
「—―—―はい?」
俺のお隣に居たお方。なんか言い出しました。はい。なんか言いだしましたよ。である。
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