第322話 そうだ旅行へ行こう!23 ~合流~
♪♪
「うん?誰だろう」
俺の隣を歩いていた斎宮さんのスマホが鳴ったため俺と斎宮さんは一時停止。
歩くのをやめた。
そして斎宮さんが自分のスマホを確認すると――。
「楓くん楓くん」
「うん?どうしたの?」
「自由に使っていいって」
「はい?」
「フリー?」
「……はい?」
なんか……笑顔のお方が隣に居た……はい?である。俺は今この数十秒の間に、はい?を何回言っただろうか。
「えっと……斎宮さん。ちょっと話が分からないから……まず説明が必要かな?」
「これだね」
笑顔で自分のスマホをこちらに見せてくれた斎宮さん。メッセージ画面で……お相手は……海織か。うわー、もうこれだけで嫌な予感。というかもう文字が見えているんだが……。
とりあえずちゃんとメッセージを見てみると――。
「ごめん。ちょっと予定詰め込み過ぎて……今まだ清水寺の最寄りのバス停からバスに乗ったところなんだ。ごめんね。ちょっと遅れる。楓君自由に使っていいから近く先に見てて!」
――――。
「向こうは柊が犠牲にあっていたか」
「珍しいね。海織ちゃんが遅れるって」
「まあそれだけ必死に……まわっていたというか。まあ南禅寺は……何時までだっけ?16時くらいまで入れたから……まだ時間的には大丈夫だと思うけど」
「じゃあそれまでに先にこのあたり見ていようか?」
「ですね。せっかくいるんだから。あー、でもこの感じだとここから次の銀閣寺は厳しいかな」
「あー、そうっか。時間的に入れなくなるよね?」
「多分ね」
「でも、それはまた来る理由になるからいいんじゃない?」
「なるほど」
「ということで……なんかいい感じのところがいっぱいあるから楓くんカメラマンよろしく!あっ荷物いい?」
「……はい」
それからは結局俺は……はい。斎宮さんのお供と言いますか。斎宮さんのお荷物を持ちまして……写真撮影と言いますか……まあ斎宮さんが見たいところ。行きたいところくるくる回る。そして写真撮って……うん。ってか三門って言うんだっけ?これは……デカいよな。うん。
「ここって紅葉とかの時に来たら綺麗だよね」
「絶対きれいだと思う。すごい人だろうけど」
「あー、確かに」
「でも今のこの少し人が少ない感じもいいけどねー」
「それも確かに。うん。そういえばここってなんかテレビとか?ドラマか。とかでさ。使われてること多くない?」
「あー、サスペンス?とかなんか刑事もの?とかでよく見るね」
「そうそう、犯人が居たりしそう。とか最後の追い詰められたり?」
まあそんなことを話しつつ俺たちは近くを散策。2人でぶらぶら周辺を見ていると16時前だったかな?海織から連絡があって、、、。
それから少しして――。
「あっ、居た居た。沙夜ちゃん。楓君。おまたせー。ごめんね。遅くなって」
とまあ無事に合流しましたとさ。
なんか……柊が歩き疲れている感じだが……あちらはそんなにハードだったのだろうか。
「なになに?柊が迷惑かけた?」
「そうなんだよー。お土産屋さんで時間使ってね」
「ちょちょ、宮町さん。俺にも説明の時間を」
「柊は黙る!」
と斎宮さんが柊を止め――。
「なんでだよ!」
とまあなんかお2人が揉めそうというか。いつもの感じか。
「ところで沙夜ちゃんたちはどうだった?回れた?」
「うん。楓くんのもと完璧なプランで、京都御所みて、お昼食べて、二条城見てここももう30分くらいぶらぶらして写真撮ったりして楽しんでたよ」
「いいなー。こっちは、、、。結構歩いたんだよ」
「その割に柊は疲れてるけど。海織ちゃん元気だよね?」
「そりゃ楽しかったからね。御朱印巡りもできたし」
と、女の子2人が話していると。
「沙夜。どうだったよ?」
俺の横に歩き疲れている方がやって来た。
「お疲れ。こっちは平和というか。今斎宮さんが言っていた通り」
「なんと……沙夜が暴走なしかよ」
「まあ……暴走は……なかったかな。行く予定のところは回れたし。あーさ、さっきまでこのあたりでは……いろいろしてたけど」
「こっちは、まあいい物も見れたが……めっちゃ歩いて寄り道も多かったな」
「御朱印巡り?」
「そんな感じ。なんか寺?神社?がいつの間にか追加されて――清水寺は行けたが。京都タワーはスルーされたー」
「あはは……ってか……京都タワーなら帰りに京都駅に行くから――」
「そうか。まだチャンスありか」
と、柊と情報交換していると――。
「2人とも行くよー、時間ギリギリだから」
すでに歩き出していた海織と斎宮さん。
海織に呼ばれたため俺たちは2人に付いていく。うん。
そして無事に南禅寺を4人で見て……ってか俺と斎宮さんは少し多めに南禅寺を満喫している。うん。海織は御朱印ゲットしたので満足していたが。ってか海織に御朱印帳を見せてもらったら……今日の日付の増えていた。柊—―振り回されたんだね。とか俺が海織の御朱印帳見つつ思っていると。
「楓君」
「うん?」
「今から銀閣寺は……時間的に厳しいよね?」
「あー、うん。もう夕方だからね。今から行くと……かな」
「これはまた今度か」
「さっき斎宮さんも言っていたけど、またの機会の楽しみ?だったかな。そんなこと言ってたけど」
「だね。ここからは次の時かなー。か、楓君を連れてきたらいいのか」
何だろう……近々拉致される未来が見えた気がしたので―。
「—―さて、じゃあ蹴上駅戻ろうか」
話を変えることを選んだ俺だった。
「あっ、楓君がスルーした」
「そうだよ!お土産も見ないとだから。京都駅戻らないとね」
おっと忘れていた。そうかお土産巡りが重要事項だったか。と、斎宮さんの声により思い出した俺だった。
「ってことは京都タワーまだ可能性ありか!」
うん。柊ホント京都タワー行きたいんだな。なんでかは知らないが……なんかあったっけ?うーん。俺には――わからないです。はい。
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