第227話 朴葉味噌4 ~菰野駅23時01分発~
まず一口—―なお一口目が一番早かったのは斎宮さんである。すぐに食べていた。
「うん!美味しい!キノコ合うね。って、これご飯めっちゃ食べれるやつだー。太るー。でも今日はいいやー。美味しいから良し!」
「うんうん。これ元から入って野菜かな?これもコリコリして美味しい。ってホントこれご飯が進むね。」
うん。女の子2人が絶賛しております。
俺と柊も食べてみる。
「うん。美味い。ってこの味噌いいな」
「あー、これ肉あってもいいな。絶対美味いやつだわ」
「柊は後日作ったらいいかと。朴葉も残っているし。まだ味噌あるし」
「じゃそこで楓を召還すると」
「その場合。松阪牛—―いや、岐阜のだから。飛騨牛とかの方が合うのかな?まあそのあたりも一緒に召還してもらわないとな」
「それはきついなー。俺が知る限りでも高そうだし」
「えっ?柊が出すから問題ないでしょ」
俺と柊が話しているとさらっと柊の隣から斎宮さんが話に入って来た。
「沙夜よ。なんで俺はさらっとそんな高額商品買うことになっているんだ?」
うん。そんな感じでワイワイと話しながら朴葉味噌やらをいただきました。ってご飯の減りがホント早かった。あとこれはおにぎりを作ってこの味噌を塗って焼いてもいい気がします。はい。絶対美味しい。間違いない。
ちなみに1回分だけでこの4人が終わるわけがなく……コンロでは柊が再度チャレンジというか。あれか次回に向かてか味噌を焼き始めた。それを海織が監視。まあ燃やすとだからね。2回目の火災は――いらないな。っか葉っぱ。朴葉が足りなくなるしな。
ある程度食べると斎宮さんが俺のお隣にやって来た。
「楓くん楓くん。そろそろあれを試すときが来たよ」
「うん?あー、そうか。冷蔵庫に入れたから忘れてた」
「よしっ!移動移動」
ということで、俺と斎宮さんはキッチンに移動して……。
再度フライパンの上で味噌をグツグツ――そしてその中にカマンベールチーズを。そのままだと大きかったので切って入れてみました。はい。
しばらくすると――いい感じにチーズが溶けだして……このタイミングで食べるべきだろうということに2人でなりまして。
箸を持って来て食べる。
「うん!楓くんこれもありだよ。美味しいじゃん。えっ、めっちゃうまっ」
「うん。いける。合うね」
「味噌とチーズいいコンビじゃん。今度家でも試そっと」
「うん。とろっとしたチーズとホントいい感じ」
俺と斎宮さん。味噌にカマンベールチーズを投入していました。
いや、味がね。どうかな?ということでとりあえず2人で試していたのだが……ありです。とりあえず俺達2人はありです。すでに2口3口と進んでいます。
まあそんな感じで2人がキッチンで、コソコソしていたからかすぐに気が付く人がいました。まあ部屋からいなくなった時点で気が付くと思うが――。
キッチンでパクパクしていた俺たちのところへと足音が近づいてきた。
ちなみに部屋の方では柊が「熱っ!」とか言っていた。まあファイヤーをしているわけではなさそうなので大丈夫だろう。
で、足音のお方だな。はい。登場。
「何してるのー?2人でこそこそとー。あー、2人なんか美味しそうなのしてるー。ずるい。ずるいー」
俺の肩に手を置きながら海織がのぞき込んできた。
「海織のもあるから拗ねない」
「拗ねてません」
「海織ちゃんがかわいいー」
「もー」
ということで、ちょっと狭いのだが……うん。海織が割り込んできたのでね。キッチンにて味噌&カマンベールをしばらく3人で楽しんでいた。というか。女の子お2人さんがパクパク食べてしまったので……柊の分が消えた。
で、なんで柊は来ないかな?とか思っていたら――1人でおにぎりを作りそれに味噌を塗りコンロで焼いていた……うん。めっちゃ良いことしている。1人で楽しんでらっしゃった。あれは絶対あたりのやつじゃん。めっちゃ美味しいやつじゃん。
「あー、こっちもずるいことしてるー。柊!焼きおにぎりちょうだい」
「おい、これは俺が作ったんだよ横から奪うな」
「全部ちょうだい!」
「そこは一口じゃないか!?」
「全部!」
とかなんかバトルが起こっていましたので……俺と海織は2人をそっとして置き……。
キッチンの方で勝手に焼きおにぎりを作ることにしました。
しばらくおにぎりを見つつ我慢—―我慢—―そしてパクリ。
「—―うん。美味しい!」
「あつっ」
はい。出来立ては美味でした。
で、なんやかんやとバタバタしながら楽しんだ夕食。気が付けば……何袋かあった味噌の袋は残り2袋まで減りました。ということで……味噌を減らすという目標は達成。残りはこの家の住人にお任せすることに。
で、満腹になった後は――お片付け。うん。そしてその時に俺たちは気が付いた。
「あー。服にめっちゃニオイが染みついてるー」
食べ終えてから一時自分の部屋に戻っていた斎宮さんがそう言いながら柊の部屋へと帰って来た。
多分この部屋に居たから気が付かなかったのもあるかもしれないが……うん。服のニオイを嗅いでみると……かなり染みついていた。
「うわー、これ結構だねー。」
「あれだ。柊が燃やしたからだ」
「いやいや、ないだろ……ってそれが原因?」
「まあ一時煙っていたからな」
「マジか。ってつまり部屋の換気しばらく必要ってことか」
「まあ、そうだろうね」
そんなことを言いながらとりあえずお片付け。で思ったこと。これってこのまま電車乗って大丈夫かね?と、うん。結構ニオイが染みついている気がするのだが――大丈夫だろうか。
あっ、そうそう。ちゃんと時間は気にしているので今回は大丈夫です。乗り遅れとかないです。はい問題なし。まだまだ時間も余裕です。
そんなことを思っていると……。
「楓君楓君」
「うん?どうしたの海織」
「ニオイ結構するよね?」
「まあ……燻されたというか。一時燃えてたからね」
「なんか恥ずかしいね。これで電車乗るの」
「まあ……この時間の四日市方面なら人少ないだろうし。大丈夫かと。すぐだし」
「これで満員電車乗ったら注目の的かもねー」
「絶対それはしたくないね」
「ふふふ。あっ時間は大丈夫?」
「今日は問題なし」
「なんだー」
「……なんか海織乗り遅れたかったみたいな感じだね」
「えー。そんなことないよ?楓君に運んでもらえるかなー。って」
「なんでケガする前提?やめなさい」
「えー」
「そこそこ。キッチンでイチャイチャしない。ラブラブは家でしてくださいねー。はい、お片付けお片付けー」
はい。斎宮さんに言われました。いや、イチャイチャしていたとかではないのだが――うん。多分。
まあとりあえず片付けをして――なんやかんやとありまして……。
「じゃ、柊また」
「おお」
「おやすみー。沙夜ちゃん」
「楓くん海織ちゃんバイバーイ。そしておやすみー」
斎宮さんはもう少し柊のところに居るらしく。2人に見送られて帰路に。
うん。外は真っ暗ですね。人もほとんど歩いていない。でも今日はちゃんと電車の時間は確認済み。余裕をもって駅に向かって歩いている。
「お腹いっぱい。そしてホント服にニオイ付いたね。」
「まあ、それは仕方ないかと」
「明日はお洗濯だー。楓君のも一緒に洗ってあげるからねー」
「当たり前のように帰ってこようとしている海織だった……」
「なんか物語みたいな言い方されたー。って楓君に手を握られているから私一緒に行くしかないと思うんだけど?」
「ちょっと待って、なんでさらっと嘘を言うかな?」
うん。ちゃんと説明をしておこう。柊の家を出てすぐ。海織は俺の手をにっかりと握っている。うん。海織が握っているのである。俺は――まあ繋がれたから握り返していただけである。
「あれれー。私の記憶と違うなー」
「はぁ……」
まあ、海織さんはいつも通りですね。どこでも平常運転です。
そして俺と海織は23時前に菰野駅へと到着。菰野駅23時01分発の近鉄四日市行きの普通電車を待つことに――うん。駅のホーム誰もいませんでした。まあこの時間ですからね。
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