第225話 朴葉味噌2 ~お買い物~
「楓くんこっちこっち」
俺は現在斎宮さんとお買い物へと出かけている。柊の家を出てから……ちょっと待機時間があったが。無事にスーパーへと到着したところ。
――えっ?何の待機時間かって?それは斎宮さんがですね。柊の部屋を出てすぐ。一時自分の家へとダッシュしていったからです。まあ階段ダッシュですね。はい。すぐに戻ってきましたが。
何をしに行ったのかは……なんとなくわかったが。自分の部屋から戻って来た斎宮さんの手にはエコバックがあったのでね。つまり――あれか荷物を入れるためにわざわざ取りに行ってくれたみたいです。
そして今は2人の家から徒歩で行けるスーパーにやって来たところ。はい現在に追いつきました。
「で、楓くん何買ってこうか?」
お店に入りながら斎宮さんが聞いてきた。
「えっと、海織が見せてくれたのには……キノコ類?とかがあった気がするけど……あと、野菜?もあったね。ってあの味噌野菜入りとか書いてあったから……あー、でも野菜あった方が味噌は多く減るかな?」
「じゃ、とりあえず買えるものを買って行こう!ここに柊のお財布があるからね」
と、斎宮さんはカバンの中から財布を見せてくれた。うん。確かに斎宮さんが持っているという感じの財布ではなかった。って普通に柊の財布を持ってきたんですね斎宮さん。
「ふふふー、今日ね。柊がお金入れてるの見たからね。残高は大丈夫だよ」
「後で大喧嘩とかしないように――」
「大丈夫大丈夫。その時は海織ちゃん所に行くからね。あっ、そうなると楓くんの家になるのか」
「ちょっと待って。俺の家そんなに広くないから」
「えー、私の緊急避難場所だよ?だって自分の家に避難してもしたからすぐに攻められるからね」
「……だから平和になるようにお願いします」
そんな会話をしつつ。俺がカゴを持ち斎宮さんが物を入れていった。
茄子が入り――人参。ジャガイモ……エリンギ。しいたけ。キャベツ――何故か半分に切ってあるキャベツを2個。うん?
その後も……醤油が入り……パスタソースが入り。カップ麺や。カップスープが入り。豆乳が入り――。
「斎宮さん」
「うん?」
「……これ自分の買い物も入れてるよね?」
「楓くん。そこはシークレットね。秘密秘密だよ」
「—―」
うん。斎宮さん自分のところの買い物もちゃっかりしていました。どうもね。朴葉味噌に使わないだろうという物が後半多くなってきたので……って今は普通にチョコレートとお菓子の袋がカゴの中に入った。
かごの中に物を入れて行っているお方は……大変いい笑顔—―悪い笑顔かな?そんな感じでした。まあ……楽しそうです。はい。
ちなみに途中でお肉を買おうということになりかけたのだが……2人でふとそういえばあのコンロ?が小さかったのでそこまでわんさか買って行っても――ということになったので今回は野菜メインということにして。あとは米をたべようということに。多分それでも十分満足できるはず。うん。お米と味噌が合わないわけないからね。うんうん。
「そういえば斎宮さんチーズも合うらしいよ?」
ちなみに先ほどから俺はスマホを見つつ朴葉味噌で何が合うかを見ていた。
「チーズ?味噌と――チーズ?」
「うん」
「へー。じゃ、私カマンベールチーズ好きだからそれ買って行こう!」
「おう……そう来たか」
とりあえずいろいろ買いました。なんか……カゴが思った以上に重くなったのは気のせいではないかと。うん。斎宮さん。めっちゃ自分ところの買い物をした気がします。はい。
そして2人でレジに行き――えーっと、ここに居ない方の財布から支払いがありまして……はい。そこそこいい金額を払っていましたね。大丈夫かな?うん。どうなるんでしょうか。
ちなみに斎宮さんは――。
「証拠隠滅。証拠隠滅っと」
レシートだけは自分の財布に入れていました。
そして会計後……うん。そういうことか。斎宮さんが先ほど家にエコバックを取りに行ったのは自分のところの荷物を入れるためだった。
なので、俺はダンボールをもらってきて――ダンボールの中に野菜などをポイポイ入れた。
「斎宮さん終わった?」
「うん。OKOK。行こうか楓くん」
「了解」
ということでスーパーを後にした俺と斎宮さん。
「で、斎宮さん。それは全て自分ところ?」
「もち」
「……ホント後で揉めないでよ?」
「ちょっと今月ピンチでねー。にひひひ」
「……」
悪い顔をしている斎宮さんが居ました。はい。俺は何も見ていません知りません。はい。ただ荷物運びです。はい。
「それよりご飯ちゃんと炊けてるかなー」
「海織が居るから大丈夫かと」
「だねー。もしかしたら柊がボコボコにされてるかもだけどねー」
「なぜに?」
「えっ?だって。海織ちゃんお怒りが少し溜まってそうだから」
「……」
えっ?俺は海織がご機嫌だと思っていたんですが――。
「あっ、大丈夫大丈夫。楓くんと居る時はラブラブしてたからね」
「—―?」
「悪いのは柊だよ、楓くんを使いすぎるからねー。そのうちあれだよ踏まれてるかもね」
「……どういうこと?」
まあ、うん。なんかわからないけど。そんな会話をしつつ柊の家へと……戻りませんでした。うん。戻ってなく。正確には通過した。
「楓くん楓くんちょっとうちに寄ってくれない?」
「えっ?」
と、いうことで、何故か柊の家ではなく。斎宮さんの家。部屋へと先に行きました。何故に……と思っていたら。あっ、ちなみに俺は荷物を持ったままです。斎宮さんに荷物持ったまま来て。と言われたので。なんでですかね。
地味にきつかったです。ダンボールに入った荷物持ちつつ階段を上がるというのは――ってこれ……バレている気もするのだが。って室内に居たらわからないか。
で、何故斎宮さんの部屋に寄ったか。
「お待たせー」
斎宮さんは証拠隠滅終了。自分ところ用に買った食材は置いてきて……なんか別の袋を持っていた。
「それなに?」
「これ炭酸飲料なんだよ」
そう言いながら袋の中身を見せてくれた斎宮さん。うん。2リットルの炭酸飲料が4本もありますね。何故に?
「なんで同じのが4本?」
「ちょっとね。これに付いていたグッズ欲しくて買っちゃった」
「……もしかして。グッズ目当てで普段飲まないものを買ってどうしようかで余っていた物という事?」
「正解。まあ飲まないんじゃないけど。さすがに1人だとね1本飲んだら飽きたから――今買ってきたみたいな感じで」
そう言いながら俺の持っていたダンボールに1本2本と重たいものが……。
「……マジですか」
「うんうん」
って――無理無理重いから。斎宮さん。結構重いです。
ということで飲み物はそのまま斎宮さんに――まあ重たいのでね2本は俺が頑張りました。はい。
で、柊の家へと帰ってきました。
「ただいまー、買ってきたよ」
「おかえりー。ご飯あと10分くらいだよー」
女の子2人がそんな会話をしていて……柊は……あれ?なんで寝ているのだろうか。なぜか床で伸びていた。休憩中?うん?まあいいか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます