第213話 料理3 ~偶然の出来事~
「よし、完了っと。ふー。地味にいい運動した気がする」
洗濯物もいい感じに乾いた。掃除も完了。部屋も綺麗になったはず。
そして今はちょうどおやつが食べたくなるような時間だが……あいにくこの家にスイーツ的なものは今はない……うーん。海織が居るとなんやかんや買ってきたりしているからあるのだが……今日は何度見てもない。
買い物に午前中行ったが甘いものは買っていないのでね。あっ、でもなんか甘い飲み物はあったような……。
と、俺は思いつつ。冷蔵庫へ。
……。
……。
……。
「うん。特に何もなかった。そういえば昨日の夜飲んだか」
今日のおやつは……特にないため。我慢でもするかとか思った時だった。
――ガチャ。
うん。俺の家は普通に外から鍵が開く。
――。
いやいや、そんなことは無いはずだが。ドアの鍵が開く音がした。
ってそうか。鍵を持っている人物はもう1人居るか。
「ただいまー」
はい。海織が元気に帰ってきました。海織さん。完全にここを家とか思ってませんか?
「……おかえり。早いね帰って来るの」
海織さんはちょうど……1日かな?うん。24時間……23時間くらいかな?でこちらに帰ってきました。
玄関には買い物をしてきてくれたのだろうか?エコバックを2つ持っている海織。なんかキャベツが1玉見えているのは――なにかキャベツ祭りでもするのかな?
「いやー、キャベツ1玉は重かったー」
「重いものは一緒に行った時で良かったのに」
「あれー、楓君は帰れー帰れー。っていう割には私と一緒にお買い物したいのかな?ニヤニヤー」
「……まあ、うん。とりあえず。ありがとう。って俺も今日の午前中買い物行ったから……そこそこ冷蔵庫は潤っているかと」
「そうなんだ。でも大丈夫!キャベツの他はほぼお菓子だから!」
「……それは――大丈夫そうですね。お菓子は買ってなかったから」
「でしょでしょ。今から食べようよ。ワッフル2つゲットしてきたよー。あっ、あとはケチャップとー。安かったから伊勢うどん!」
おっと、ここで同じものをまさか見るとは……それはまさに俺が午前中安いからと買ったものではないか……。
「—―被った」
「えっ?」
うん。午前中に俺がゲットしてきたものが海織のエコバックからも出てきました。これを偶然という。うんうん。
「被ったって?」
「いや――こちらです」
俺は冷蔵庫にすでに入っている伊勢うどんさんをお披露目。うん。全く同じですね。
「あらー、全く同じ。ってことは……2人前が2つ。4人分も伊勢うどんあるね」
「まあ日持ちするから問題ないかと」
「だね。そうだ。今日の夜は伊勢うどんにしようよ。ってそういえばなんかネットでアレンジレシピとか見たことあるからそれしてみよう!そしたら2回伊勢うどんがあっても雰囲気変わるからね」
「2回同じものよりはいいかな?」
「うん!あっ、まずはおやつタイムおやつタイムー」
そういいながら海織は食材を冷蔵庫に投入して……ワッフルを持って部屋の方へ。
「楓君。早く早くー食べちゃうよー」
うん。俺のところの冷蔵庫めっちゃ潤いました。お菓子率が高い気がしますが……まあいいか。
それからは海織とおやつタイム。何とか海織が2つ目を食べようとしている時に俺は海織の隣へと座りました。
「やっぱり楓君片付けしてたかー。うんうん。私の洗濯までしちゃってー」
「いやいや、海織の洗濯はしてないよ?って昨日居ないんだから洗濯ないでしょ?」
この子は何故さらりといろいろと嘘情報を流してしまうのでしょうか……困ったものです。
「そんなこと言ってー。実はいろいろあさっちゃったとか?優しい彼女さんは言っても怒らないよ?」
「何もしていません。そして物を食べる時はお静かに」
「えー。あっ、そうそう、晩御飯だけどさ。今見ていたら。焼き伊勢うどんってのがあってね。これ私前どこかで見て気になってたんだよ。でもいつも作る時には忘れちゃっててね。今日これにしない?野菜もあるし」
「うん。いいけど」
「やったー。じゃ、今日はこれだねー、あっ楓君お肉ある?」
「冷凍庫にあったと思うけど?」
「じゃお肉も入れちゃおう」
「海織。楽しそうだね」
「うんうん。やっぱり楓君と居ると楽しいよ?いっぱいいじめれるから」
「……最後の言葉なかったら完璧かな?」
そんなこんなでしばらく海織とのんびりしてから――夕食時。
「では。楓君スマホOK?」
「大丈夫」
「じゃ、まず伊勢うどん茹でとこうか」
「かな。あとで炒めるから沸騰したお湯でほぐす感じでいいのかな?海織が見ていたサイトだと。先に茹でて……だけど」
「ささっと読んだ感じだと。野菜炒め?に伊勢うどん投入。のタレって感じだと思うから……」
海織はそう言いながらお鍋でお湯を沸かし。沸騰したら伊勢うどんをまず茹でていました。
うん。俺スマホを持っておくようにと言われてレシピを見ているのだが……すでに海織の頭の中にはレシピがいるようです。俺—―出番あるかな?無い気がしてきました。
「キャベツ買って正解だね。野菜多めにしようか?人参も使いかけあったし。あっ、お肉お肉。あっ、冷凍になっているキノコどうかな?しめじ……入れてもいけそうな気がする……」
海織は自分の世界に入っているのか。いろいろつぶやきつつ。伊勢うどんは完成したみたいで火を止めて横に移動させていた。伊勢うどんはお湯の中にほりっぱなしでも良いからね。
その後はフライパンに肉や野菜を入れて炒めて――。
「楓君。伊勢うどんお湯切って入れてー」
「了解です」
はい。俺出番ありました。ってスマホが邪魔ですね。一度スマホを机に置いてから海織に言われた伊勢うどんをお湯から出して……熱いです。はい。お湯を切り。海織が炒めているフライパンへ投入。
そして海織は伊勢うどんに付いていたタレをフライパンに投入—―あっ、これめっちゃ美味しいやつだ。一気にいい香りが……。
「めっちゃ美味しそう」
「だね。これは正解の感じだね。絡めたらもう完成かな?あっ鰹節もかけちゃおう」
ということで。焼き伊勢うどんとやらが完成しました。言い方はこれであっているのかな?まあいいか。焼いた伊勢うどんです。野菜多めバージョンで現在鰹節が踊っています。
「「いただきます」」
出来たらすぐ食べる。これが絶対美味しいやつ。鍋などの洗い物は後回しです。はい。
「うん。おいしい!」
「これはこれでおいしいね。野菜も食べれるし」
「だね。野菜もとれていいね。今度ママにも教えよー」
はい。焼き伊勢うどんありです。美味しいです。タレが合うね。うんうん。あまり長く炒めるとべちゃっとしそうだから。さっとなじませた感じで正解だったみたいです。
そういえば――何やかんやで海織の居る日常がすぐに戻ってきました。
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