第211話 料理 ~普通の日常~
「……静かだ」
はい。
今日は休日の朝。俺は静かな朝食時間を過ごしている。
なんかこの静かな感じ久しぶりな気がします。1人で起きて1人で朝ご飯。うんうん。久しぶり。ってこれが普通の日常じゃないのだろうか?うん。いままでの俺の生活がおかしかった……よな?うん。
まあ静かだからか。なんやかんやと考えてしまった。
「こういう静かさもやっぱり必要だな。うんうん」
はい。朝から1人の部屋でぶつぶつ言っている男です。朝から何をぶつぶつ言っているんでしょうかね。いつもと違うから寂しいとかそういう事ではないのですが……なんかね。変な感じと言いますか。静かすぎて勝手に何かぶつぶつ言ってしまうという……。
今日は海織がちゃんと自分の家へと帰っているため1人です。さすがに何連泊していく気だろうか……とか思っていたら。昨日の午後。
「ごめん楓君。そろそろ家の様子ちゃんと見てくるね」
「うん。それが普通だと思います」
「えー。楓君そこは、帰っちゃダメ。とか言わないの?」
なんでこの子はちょっと不機嫌な感じなんでしょうか……自分の家に帰る。当たり前の事ではないだろうか――とか思っていた俺。
「言いません。って海織。たまには、たまには。帰ってるけどさ。ほんの数時間でまた戻って来るから」
「たまには、って楓君が2回も言って強調してるー」
「……自分の家でもちゃんと生活をしてください」
「わー。楓君が出てけー。って言ってきたー。これは沙夜ちゃんに連絡だー。ニヤニヤ―」
「いろいろ問題を起こさないでくれますかね?」
「ふふふー」
うん。この子。とっても楽しんでますね。困ったもんです。
でもさすがに昨日はその後ちゃんと自分の家へと帰っていき。戻って来ることはなかった。いい事いい事。
たまに何かを取りに帰ったりしているが。ホント自分の家で泊まるの……海織は何日ぶりだろうか……当たり前。日常と非日常の日数が逆転している気がするからな。
とりあえずおかしなことばかりだが。
今は部屋に1人。久しぶりの1人です。まあだからと言って何かすることとかはないので……普通に起きて普通に朝ご飯を食べていたところです。めっちゃぶつぶつ言っていたかもしれませんが。まあとりあえず……。
「ごちそうさま」
朝ご飯を食べ。時計を見ると10時前。特に予定は無いが……そろそろ食材の買い物も必要か。ということで俺は洗濯機のスイッチを入れてから買い物へと出かけた。これなら帰ってきた頃に洗濯が終わるはずなのでね。
よし。ちゃんと動いてる。OKっと。
洗濯機の確認を終えた俺は財布やらを持って……おっとエコバック忘れた。最近はエコバック持参が当たり前になりつつあるので俺もちゃんと持って行きます。というか。海織が準備をしてくれました。はい。持つものを持ってスーパーへ。
ぶらぶらと店内を回りながら商品を買い物かごの中へ。あれだね。1人だともう1人の方の行動を気にしなくていいので店内をゆっくり見れますね。えっ?いや、普段海織さんが居ますとね。うん。最近の海織は突然何かを思いつくとすぐにやっちゃうので……気にしてないとなのでね。でも今日はゆっくりぶらぶら店内を回れています。
「そういえば、海織今日は来るのだろうか……」
うん。本当はちゃんと自分の家で過ごしてほしい。というのもあるのだが……あの方。多分すぐに帰って来るだろう。ということで、一応、一応ね。2人分の食材を……って俺も完全に海織の居る生活が普通になっているか……慣れって怖い。
そんなことを思いつつ。野菜や肉などを買い……ふと目に留まった。
「あっ、広告の品か……伊勢うどん、いいじゃんちょうど2人分だし。最近食べてなかったからな」
伊勢名物、伊勢うどんです。スーパーなどに普通に売っていてふと食べたくなると家で簡単に伊勢うどんを食べれるという……えっ?売ってない?スーパーでそんなの売ってないと?いやいや売っているでしょ?えっ、このあたりだけ?えっ……これは……調査が必要か。てっきり全国どこでもスーパーに行けば売っているものかと……ホントに無いの?あるよね――?
って、いう伊勢うどんの販売状況はさておき。
スーパーを回っていたら伊勢うどんがチラシ特売。広告の品。と書かれていつもよりお安い。うん。ここのメーカーの物は日持ちもするので買う予定にはなかったが買いました。はい。1人でも1人前ずつ真空になっているタイプなので問題なし。よし。
その後も少し買い物を続けて――帰宅。
なおちゃっかり帰りにハンバーガー屋に寄ってきましたとさ。
1人だとね。簡単にお昼を……というのと。ちょっと目についたというか。食べたくなったのでね。帰り道に買ってきました。
買ってきた食材などを冷蔵庫に入れて……。
はい。お昼いただきます……じゃなくて。洗濯忘れてた。あぶないあぶない。
俺はバタバタと洗濯を干してからのハンバーガーいただきます。はい。せっかく買ってきたからね。早めに食べないと。ということでちょっと朝とお昼が近かった気がするが。スーパーまで歩いてきた。運動してきましたからね。問題なし。美味いじゃん。
昼ご飯の後は……まあ特にすることないし。ということで……部屋の掃除をしています。
普段からしているが。現在は1人なのでね。誰かさんの行動を気にせずどんどんできるので。海織さんね。いろいろ絡んできますので。そりゃ――まあ甘えられて嬉しくないわけはないのだが……時間がかかるんですよ。
布団とか干したりしようとすると。何故か海織が寝ころんでいる。または干した後に海織が寝ころんでいる。
風呂掃除をしようとしたら。何故か海織も突入してくる……いやいや水遊びするんじゃないですよ?とかいうことがですね。あるので今は快適に掃除をしています。
うん。晴れで良かった。一気に掃除ができる。
そんなこんなで掃除をしていたら時間はあっという間に過ぎていきました。
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