第193話 日曜日4 ~泥棒に入られたみたいです~
「あの……海織これ歩きにくいのですが……」
「じゃお姫様抱っこ希望!」
「—―そのままでお願いします」
「ふふふー」
うーん。海織は歩きにくくないのかな?俺の後ろで何かくっつきながら移動しているのだが……うん。俺は歩きにくいかな。とか思っていたら。自分の部屋まではすぐなので到着したのだが――。
海織の話ではここでは斎宮さんがお休み中のはず。なので……うん。自分の部屋なのだが今入るのは……とか思っていたら。
「楓君ほらほらチェックチェック」
「チェックって……何を?」
「沙夜ちゃんの寝顔だよ?」
「……見る必要はないかと」
俺が言うと同時くらいに。海織が俺の部屋のドアを開けた。うん。海織さん聞いた意味ないよね?行動早すぎますよ?とか思っていると――。
「いいからいいから……って――ありゃー」
「……あの……ナニコレ」
泥棒でも入られた?この部屋だけ。何か――いろいろ散乱しています。何故に……確か俺が居たときはいつも通りだったはずなのだが……この短時間で何があった……まあ犯人はわかっているのだが。今もまだ部屋の中に居るし。
「沙夜ちゃんよっぽど楓君の事が好きになったんだねー」
「いやいや、そういうことはないかと」
俺の目の前にある光景は――うん。斎宮さんが俺の部屋で寝ているではなく。いや寝てはいるか。うん。寝てはいる。
だが……俺の部屋をあさってなんかいろいろ見ているうちに睡魔に負けた。とかいうのだろうか。
うん。この部屋に来てからの行動を本人に聞かなくてもわかるという状況だった。
っか斎宮さん人の部屋をあさりすぎ。って何故にこんな状況に?音とかはしなかったと思うのだが……一体何をどうしたらこんな短時間で部屋を汚くできるのでしょうか……うん。まあ汚いというか。部屋にあったものを出してみたというか。引き出しやらやら確認したかったんですね――。
――いやいやなんでだよ!?
「楓君楓君とりあえず沙夜ちゃん布団に戻してあげようよ。このままだと身体バキバキになっちゃうよ」
海織の言う通りか。斎宮さんなんか変な体勢で床に寝ているからな――。
「……まあ部屋は……明日いろいろ確認しながらかな。もう遅いし」
海織は俺から離れて斎宮さんのまわりに散らかっていた本やらをちょっと隅に並べてくれた。って、なんで斎宮さんは俺の服まであさったのか。あと……うん。どこか旅行でも行きたかったのか。過去の時刻表も全部出てきていました。
酔っ払い?の方はいろいろやっちゃいますので皆さんお気をつけてください。はい。俺は被害にあいました。お掃除—―大変そうですね。まあそこまでひどくはないというか。でも……うん。いろいろ散乱している。
すると……。
「むー、こういうこと私はしたことないのに――今度わたしもやっちゃおう」
「……海織聞こえてますよ?声漏れてますよ?やらないでくださいね?」
この子はホントなにを考えているのでしょうか。
「うん?何のこと?」
「人の部屋をあさらないように……」
「えー、なにも言ってないよ?そんなことするわけないじゃん」
「……」
――海織は海織でなんかつぶやいているし。この笑顔の時の海織は実行する可能性がかなり高いので注意ですね。うん。多分対策とかそんなことは無駄というか……されるがままになっちゃうかと思うのだが――諦めって肝心かな?って早く斎宮さんを移動させないと。ホント変な体勢で寝ちゃってますからね。
俺は斎宮さんを起こさないようにそっと身体を動かして持ち上げる。っか、軽い。って俺はなんで酔っ払い?のお世話をしているのでしょうかね……とりあえず斎宮さんを布団へと移動させた。
ってもう寝かせた後だが。俺の部屋で斎宮さんを寝かしていいものだろうか……とか思っていたのだが――。
それよりお隣からの視線がちょっと痛いと言いますか……そんなに見なくてもね。ねえ?海織さん?なんでそんなにこちらを見ているのかな?ちょっと頬を膨らませてます?うん?これはどういうバージョンの海織なのだろうか……。
「えっと……何でしょうか?」
「楓君さ。沙夜ちゃんの扱い慣れてるよねー」
「……そんなことないかと」
「だって今も起こさないように優しくそっと運んだしー。私は抱っこされてないんだけどなー。どういうことかな?ニヤニヤー」
――ニヤニヤが声に出ている時点で海織はいつも通りですね。はい。いつも通りのはずです。ご機嫌みたいです。夜中だから変にテンションが高いのかな?
「……とりあえずもう遅いから寝ませんかね?」
「仕方ないなー、じゃ私は沙夜ちゃんと一緒に楓君の部屋借りようかな。あっ、お風呂もまだだけど……眠たいから……朝借りようかな」
「……ご自由にどうぞ。あるものはお使いください。俺はどっかの床で寝ています。はい」
「本当に結構眠いからね。沙夜ちゃん抱きながら寝るのもいいよね。って沙夜ちゃんも着替えないで寝ちゃってる。仕方ないなー、脱がしちゃおう」
うん。このまま居るといろいろ起こりそうなので早めに退散かな?とか思いつつ。
「……海織もやっぱり酔ってるよね?」
「えー、酔ってないよ?」
「まあ……うん。いいや。とりあえずおやすみなさい」
「はーい。おやすみー。楓君」
そんなこんなでちょっとありまして……いや特に何もなかったでいいか。
……明日片付けないとな……とか思いつつ俺は自室から退室—―うん。どこで寝ようかな?
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