第167話 水曜日2 ~湯の山温泉駅14時00発~

藤井寺先生と遭遇したお昼休み。あいさつ程度でさようならの予想が……現在も俺は藤井寺先生の横に座り。スマホで他の3人のゼミメンバーに連絡中。何しているのでしょうかね。


藤井寺先生は……はい。俺の隣で美味しそうに愛妻弁当?を食べています。はい。


「お疲れ様です。藤井寺先生からの伝言です。明日のゼミは休講とのことです。各自頑張って作成して来週見せるように。とのことでした。以上です」


こんな感じかな。と、再度文章を確認してから送信を押す……はい。送信完了しました。


そして――うん。一応頼まれたこともしたし。ここでさようなら。という選択肢もあったのだが……。


藤井寺先生はそれをさせてくれなかった。


俺がスマホを閉じると……。


「ほっほっほー。そうじゃそうじゃ。加茂君」

「……。はい?」

「このプチトマト食べてくれんかの?」

「—―—―はい!?」

「ほっほっほー。トマトは嫌いでの残して帰るとうるさくての」

「……まあ、俺好きなんで良いですが……」

「ほっほっほー。助かったわい」


はい。俺は何故か藤井寺先生からプチトマトをもらいました。3つほど。甘いプチトマトですよ?藤井寺先生。


……って、ホント何しているんでしょうか俺は。そんなことを思っていると。まだ藤井寺先生のプチトマト。トマトについてのお話は終わっていなかったらしく――。


「この中がの、苦手でのー」

「……なるほど」

「じゃが、これで今日は大丈夫じゃ。ほっほっほー」

「……今日食べたから次回は増量……もあるのでは?」


そう言いつつ3つ目のプチトマトをもらった俺。うん。はい。パンの前にプチトマト完食しました。本当に甘くておいしいプチトマトですよ?藤井寺先生。と思いつつ完食。。


「ほっほっほー。その場合はその場合じゃ」


うん。大丈夫かな?とか思いつつ。そこから世間話というのか。先生と何故か最近のニュースの話でしばらく会話が始まりまして――はい。


俺は藤井寺先生とのランチを楽しみ?ました。はい。


「ほっほっほー。ほー。そろそろ行かんとな。講義に遅れてしまう」

「あ、はい。俺は午前中だけだったので」

「ほっほっほー。じゃ明日の件頼んだぞ」

「大丈夫です、もう連絡しました。そのうち返事があるかと思います」


藤井寺先生はいつものベンチから去っていった。


はい、静かないつものベンチとなりました。そういえば俺はまだパンが半分以上残っていた。うん。食べよう。っか、藤井寺先生と話していたからか。完全に目が覚めたというか。眠気はどこかへ行きました。


パンを食べつつ。再度スマホを確認すると……。


どうやら藤井寺先生と話していた間に3人から返事が来ていた。


俺が送ってからすぐに返事があったみたいで――一番早く返事をしてきたのは……海織だった。


「ありがとー。藤井寺先生ホント休みが多いねー。でも、ちょっと今週は半分くらいしか出来てなかったからラッキーかな」


うん。昨日斎宮さんにいろいろ考えるように、やらかしたことを思い出すようにと言われたのだが……海織いつも通りに今のところ見えます。はい。


――なんか。ふと頭の隅というか。俺のセンサーが……何かに反応したが。情報が少なすぎるのか。気がした。というレベルで反応がなくなったような……うん。気のせいだな。


海織の次に返事をしてきていたのは柊だった。


「ラッキー。じゃ、楓へのヘルプちょっと先になるかもだわ」


という。どう考えてもゼミの前に俺の家やらに乗り込んできそうな内容のメッセージが来ていたが……って、柊よ。本来なら明日なのだが……もしかして今日の午後乗り込んでくる予定だったのだろうか――とか思いつつ。最後のメッセージを確認する。


「了解!あと、楓くん!海織ちゃん怒らせた原因わかった?」


うん。これは家に帰ってからお返事しようかな。うん。


俺は一度スマホを閉じて残っていたパンを食べた。そしてごみはゴミ箱へ捨ててから大学を後にした。


お昼の時間。大学から駅への道は人が少なめだったが。湯の山温泉駅にやってくると……どうやら山帰りの人と重なったらしく。というか。ちょうど駅前に路線バス。ロープウェイ乗り場の方からやってきたバスが到着したところらしく。駅前がちょっとざわざわしていた。


うん。今日は帰りも車内が混んでいるかもしれない。


俺はそんなことを思いつつ。改札を抜けていく。


少し待っていると湯の山温泉駅14時00分発の近鉄四日市行きの普通電車がホームに入ってきた。近鉄四日市から到着後数分での折り返し運転である。


そして先ほどバスから降りてきていた人たちも今はホームに居るので――。


はい、なかなかの乗車率になりました。俺はドア近くで立ち席です。はい。普段は帰りに満員。立ち席とかにはならないのだが……まあ高校の終わる時間と重なると高校生が結構居るので立ち席はあるが。まさかの登山客の人が多く立ち席になるとは思っていなかった。うん。


14時00分湯の山温泉駅発車。伊勢川島駅には14時16分着。


15分くらいの移動中。車内は登山帰り?山帰りのご高齢の方々が楽しそうにお話をしていたので賑やかな車内でした。


川島駅に着いてから、いつもの道を1人で歩いて行く。そして家に到着。うん。家に着いたら急に眠気が来た。よし……寝よう。


そういえば今日の大学は、藤井寺先生しか知っている人と会わなかったような……うん。海織や柊、斎宮さんとはメッセージでのやりとりしかしてないからな。って、今再度考えても俺は何故に先生と2人でお昼ご飯を食べていたのだろうか――。


まあいいか。って、忘れてたが斎宮さんへのお返事は……後だとまずいな。うん。既読が付いているから返事をしてからちょっと休もう。ベッドに寝転がるのをちょっと我慢して――。


その後しばらく斎宮さんとメッセージでやり取りをすることになりました。はい。


いや、俺は普通だと思うのだがね。斎宮さんが……って、今ふと室内を見渡したので目についた。というべきか。あれ?このこと前も思ったような……?とか思いつつ。


部屋の一部分海織ゾーンを見つつ。


「……普通。もう来たくないとか言う部屋にこんなに着替えとか荷物置いておくかな……って海織、なんかまた考えているんじゃ……まあそれはないか。たまたま忙しいんだよね。うん。にしても……海織の私物が多い部屋……」


はい、そんなことを1人でつぶやきつつ。斎宮さんとメッセージのやり取り後。


俺は眠気に負けました――仕方ない。朝がめっちゃ早かったので。うん。仕方ない事です。

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