第157話 男2人勝負終了 ~榛原駅20時53分発~

あれからしばらく――。


晩御飯が準備できたと斎宮さんところのおばあちゃんが部屋にやって来るまで俺は斎宮さのところのおじいちゃんのお相手をしていた。


どのくらい相手をしていたかは忘れたが……俺はオセロでは連勝した。

以上です。報告終了。はい。


おじいちゃんがもう一戦。みたいな感じで準備していたが――おばあちゃんに止められていました。


「楓くん。お疲れ様ー」

「うん。足しびれた……」

「あっ、触ってあげようか?触ってあげるよ?どっちどっち?両方?」


――余計な事を言ったみたいです。斎宮さんが悪い顔をして迫ってきます……どうしましょうかね。危険です。


「ストップ、触らなくていいですからね?はい、触らなくていいよ?」

「ほらほら遠慮せずに」

「遠慮してないから。ほら、向こうで呼んでるから。って、柊ー」


はい。しばらく俺は斎宮さんにいじめられました。ちなみに彼氏さんは……楽しそうにおばあちゃんとこちらを見ていました。はい。


よし。帰りは柊の奢り決定だ。うん。特急で帰ろう。もしデラックスカーが付いている特急だったらデラックスにしよう。うん。決定。


俺が斎宮さんにいじめられた後、おばあちゃんが準備してくれた晩御飯を食べる……うん。今回もたくさんありました。何人前あったんでしょうか……現在斎宮さんのおじいちゃんおばあちゃんと斎宮さん、柊、俺で5人なんだが……10人弱分くらいないかな?気のせい?まあ俺と柊がめっちゃ食べることになりましたが……ホントすごい量。


食べ終えたあと、俺と柊はしばらく動けませんでした。それでもフルーツをまだ持って来ていた斎宮さんのおばあちゃん……最強でした。はい。胃袋は無限じゃないですよ?ホント。でもどれも美味しかったです。めっちゃ満腹ですが……動けない。うん。休憩必要です。


それからちょっと休憩のちバタバタと帰る準備。


俺と斎宮さんところのおじいちゃんがですね。オセロやらに時間を結構かけていたからか……ちょっと予定が押している感じです。


それでも、もう一戦しようとしていたおじいちゃん。さすがに斎宮さんが止めてくれました。よかったよかった。


……はい、また来ます。はい。勝ち逃げみたいなことはしません。はい。


なんか……視線を感じつつ。俺も帰る準備。


帰る際。斎宮さんところのおばあちゃんにいろいろお土産をもらいました。荷物がめっちゃ増えましたが。ありがとうございます。


準備をして外に出ると……もう外は真っ暗。


帰りは斎宮さんも一緒に帰るということで3人で榛原駅へ――。


「「じゃ、柊。切符よろしくー」」


駅の前で俺と斎宮さんは、柊に切符の購入をお願いする。予定通りですね。はい。打ち合わせとかはなかったのだが。偶然斎宮さんと声が重なった。最近斎宮さんとは考えがよく合うようです。


「なあなあ、2人ともめっちゃ入念に計画練ったのか?合わせたかのようにタイミングぴったりが最近多くないか?」

「「気のせいだろ(でしょ)」」

「ほら――って、まあ買ってくるか……」


柊が窓口で切符購入中に俺と斎宮さんは飲み物を買いに行ったりとぶらぶら。


それからホームへ移動して榛原駅20時53分発の松阪行き特急に乗車。しばらく電車に揺られて――この区間の時は3人とも寝ていたと思います。乗ってからすぐにとても静かになりましたから。


そして伊勢中川駅に21時38分に到着。寝過ごすとかいうことはありませんでした。結構ギリギリまで寝ていたが……それだけ疲れたんだな。うん。


帰りは特急なので行きより所要時間が短い。さらに特急だったからか乗り換えの接続もかなりよく。


伊勢中川駅で21時40分発の名古屋行き特急に乗り換え。行きのようにホームで待機ということはなく。すぐに乗り換えた。車内では先ほどもだったが俺の隣には柊が居る。すでにもう寝る準備に入っている。そして、通路を挟んでお隣には斎宮さんが居るのだが……うん。何かこちらに斎宮さんがやってきました。


「柊。場所変わってー」

「俺寝る準備万端なんだけど……」

「寝るならお隣でどうぞー、楓くん楓くん。海織ちゃんからだよー」

「ちょ、わかったから。移動するから。普通に人の上に座ろうとするな」

「……2人とも車内ではお静かに……」


なんやかんや駅出発時にはありましたが。現在俺の横には斎宮さんが座っている。何故こちらに移動してきたか――予想は海織関係ですね。多分。


「見てみて、海織ちゃんが拗ねてるよー、かわいいよー」


はい。すぐに答え合わせ。彼女が絡んでいるみたいです。


そんなことを言いながら、自分のスマホをこちらに見せてきた斎宮さん。確認させてもらうと……。


どうやらこのお2人さんは今日の午後はずっとメッセージをしていたらしい。斎宮さんが過去のメッセージのやり取りもさっと見せてくれたら――。


はい、拗ねている動物のスタンプが大量に来ていますね。って、斎宮さんやっぱり俺とおじいちゃんの勝負中の写真を大量に海織に送っていた。


「いいなー、いいなー、私も行きたかったー!」


スタンプの合間合間に海織からのメッセージも入っていた。途中に少し海織からの写真もあった。多分……海織は親と何か食事にでも行っていた様子。料理の写真があったから。まあ、その写真の次に斎宮さんが……。


「うちのおばあちゃん作!」


と書いて俺たちが少し前に食べた料理の写真を送っていた。


海織からは終始「そっちに行きたかったよー」みたいな文章がいくつか届いていた。なるほど、斎宮さんとずっとやり取りをしていたからこっちのスマホは静かだったのか……。


そんな感じで斎宮さんと少しやり取りをしているとあっという間に電車は四日市に到着した。


近鉄四日市駅22時14分到着。駅のホームに降りる。うん。完全に夜ですね。出発時も夜だった気がするが。まあ町がさらに静かになったみたいな感じかな。


そして、湯の山線ホームに移動した3人。今回も接続がよいみたいでほとんど待ち時間なしで近鉄四日市駅22時20分発の湯の山温泉行きの普通電車に乗れた。


「いやー、楓くんホント急にごめんねー。でもおじいちゃん喜んでたよ」

「それはうん。よかった」

「またお願いねー。おじいちゃん勝負の相手待っているから」

「う、うん。まあ次は事前にご連絡があると……」

「OKOK!」


車内でそんなことを斎宮さんと話していると。22時29分電車は伊勢川島駅に到着した。柊はここでも爆睡中だったため。って今日の柊。疲れるようなことしていたっけ……?うーん。俺の記憶にはない。まあいいか。


「じゃ、また」

「うん。ありがとねー」


斎宮さんに挨拶をして俺は電車から降りた。


とりあえず、無事日帰りで帰って来れたが――うん。帰ったら寝よう。疲れた。


そんなことを思いつつ1人で家に帰りましたとさ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る