第73話 連行3 ~17時22分発鳥羽行き特急~

東山駅に着いた後は平安神宮へ徒歩移動。そしてさすが観光地。平日なのだが、バスツアー?だろうか。結構人が歩いていた。ちなみに平安神宮は俺も来たことはなかった。


「なんか白い。っていうか。まぶしいレベルで砂利が白い気がする」


と、入ってすぐの斎宮さんの反応でした。


まあ、確かにまぶしいというか。砂利がとても白く感じた。そしてここも広い。圧倒されるというか。本殿?お参りするところまで見えてはいるがとても遠く感じる。いや、遠いのか。でも、地面の砂利が白いからか。建物の朱色?でいいのかな。建物の色がとてもきれいに見える。そりゃ今のお隣さんみたいに、撮影会になるわな。今日は青空で、それも綺麗だし。斎宮さん連写してます。まあ「わっ――!?連写しちゃった」とか言っています。今日も今のところ平和。


「楓くん。写真撮れたから近くも行こう!」

「はい」


斎宮さん元気です。目を輝かせて。俺の前を歩いています。


それから、平安神宮でお参りして、周辺もぶらぶらと見て、カフェ。お店があったので、そこで休憩しつつ。次行くところを検討。ちなみに、斎宮さんは早速。先ほどの画像をグループのメッセージのところにあげていた。


「そういえば。柊見た?」

「見たのは見たみたいだけど……なんの反応もないんだけどー」

「まあ、休みだから、柊も何かしてるんだよ」

「またサークルかなー」


あまりこの話題を続けると斎宮さんのご機嫌が悪くなりそうなので、ここらで、目的地探しに話を変える。


「で、次はどちらに」

「うーん。このあたりだと、南禅寺は行ったことあるなー。だから……あっ、楓くんこのパンフレットのたくさん鳥居があるここはどこ?」

「うん?えっと……鳥居ってどこにでもあるかと……えっと――あっこれは、伏見稲荷か」

「伏見稲荷……聞いたことは、、、ある。うん。楓くんここ今から行ける?」

「えっと、まあ、行けると思うけど」

「じゃ、そこ行こう!」

「—―はい」


斎宮さん何かを感じ取ったのか。

次の目的地は、伏見稲荷大社になりました。この思いつきでの行動のすごさです。はい。


それから、どうやって行くのが一番いいのかと、地図とにらめっこするのは俺の仕事。そして平安神宮から少し歩いて京阪の三条駅に行くことになった。


京阪は多分ほとんど乗ったことがなかったが、駅に着いてから運賃表などで、伏見稲荷駅探して、伏見稲荷駅に止まる電車探して乗った。準急の淀屋橋駅行きに乗り10分くらいだったと思う。伏見稲荷駅到着。そこからは歩いてすぐ伏見稲荷大社だった。


「よかった。ちゃんと着いた」

「おお、ここも大きいね。そしてここも人が多い」

「だね。観光地だからどこも人はいるね」


人に紛れつつ奥に入っていく。そして、先ほど斎宮さんの見たたくさんの鳥居というのは、千本鳥居。と言うところだった。なので、本殿を見てからそこへ向かう。千本鳥居というところは、本当に、鳥居がぎっしり並んでいるところだった。見えている範囲奥までずっと鳥居。歩いていると不思議な感じのするところだった。


「これすごいね楓くん」

「うん。長い。思っていたより長い」

「そういえば、これ、パンフレットには、まだ見れそうなところあるけど、行けるのかな?」

「多分行けるんじゃない?看板もあるし」

「よし、じゃ、ぐるっとまわってこようか」


斎宮さんと歩き出したのだが……これがなかなかいい運動でした。数十分くらいで歩いてこれるとか思っていたら。いやいやどうだろう?何キロあったかは覚えてないが。2時間ほどかかったのではないだろうか。ちょっとした山登りをした感じ。さすがに、斎宮さんも「タイム。一回休憩」と、何回かなっていた。でもなんかご利益はありそうです、はい。


それから、ぐるっと回ってやっと入って来たところに戻ってきた。伏見稲荷大社でぶらぶらと散策。というのか山登り?していたからか。あっという間に夕方に。まあ、北行ったり。南に行ったりと移動が結構あったので、多くは回れないだろうとは思っていたが。でも、なんかここだけでもいろいろ満喫した気がする。そしてあまり帰りが遅くなると明日の大学が辛くなるのでそろそろ帰路の検討を始めた。


「京都駅に戻るか。京阪で、丹波橋に行くかかな?」

「楓くん的には、どっちがいいと思う?」

「うーん。進んでる。って感じになるのは、丹波橋かな。京都駅は遠回りって行くか。新幹線で帰るなら京都だけど」

「新幹線は……かな。京都と名古屋間でもそれなりの金額でしょ?」

「どうだったかな?ほとんど乗らないからなー。まあ、でも新幹線乗るくらいなら。近鉄で特急乗って四日市まで帰る方が時間はかかるけど安いと思うよ?新幹線だとまた名古屋から近鉄乗らないとだし」

「だよね。じゃ、近鉄で帰ろう」

「了解しました。調べます」


それからは、京阪の伏見稲荷駅に戻り。丹波橋駅へ。約10分ほどで丹波橋駅到着。その後は近鉄丹波橋駅に歩きで移動。初めて来たが――近鉄の駅に来れば大丈夫。迷うことなく四日市方面の電車探す。の前に、歩き回ってお腹が空いたという斎宮さんのために、ちょっと電車で食べれるように食べ物をお店で探ししてから、駅の時刻表を見る。


「えっと、今が17時前ってことは……あっ。行ったばかりか。でも22分に鳥羽行きがあるか……これでもどこかで……」


ということで、丹波橋駅17時22分の鳥羽行き特急に乗り大和八木駅へ――。


「なんか。ごめんね、また楓くんに特急料金出してもらっている気がする」

「いや、連れてこられたけど、今まで何も払ってないから」

「でも、楓くんのおかげで空腹からは逃れましたー」


先ほど買ったものを早速車内で食べている。

急行とかでは食べれなかったかもだが。特急なのでテーブルもあるので、食べやすそうです。はい。


「それは――よかったです」


18時03分大和八木駅到着。ここで名古屋行き特急に乗り換え。


「おっ、えっと――あっそうそうアーバンライナーだ。これは名前覚えてるからね」


これはたまたま偶然だったのだが――斎宮さん喜んでくれたみたいです。

大和八木駅18時05分発名古屋行き特急に乗る。そこからは四日市まで乗り換えなし。19時21分の到着まで――まあ、二人とも夢の中でした。本当は八木駅を出たときは斎宮さんが「実家のある榛原を通過ってあまりないから、通過するのも見ないと」とか言っていた気がするが。今日は結構歩いたので1時間以上乗れると思ったからか乗ってすぐ寝ました。


そして、19時30分頃—―。


「うーん。寝たー。そして帰って来たー!」

「ですね。無事帰って来た」


近鉄四日市駅に着いてからは、いつもの湯の山線の乗り場へ移動。

19時38分発の湯の山温泉行きの普通に乗る。


そういえば、家に帰った後晩御飯どうしようかな。とか思いつつ移動。

ちなみに、斎宮さんは……今日撮った写真をグループのところに載せているみたいです。マナーにしてなかったら通知の嵐と思われます。はい。


ってか――果たして、これは意味あったのでしょうか?

柊は――今のところ見てはいるが反応してないみたいだし。ただ、観光に行ってきただけになりそうな……と、俺は思いつつ外を見ていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る