第51話 いつもの日常 ~14時51分発近鉄四日市行き普通~

あれから。と、いうのが正しいのか。

結構遅くまで宮町さんとベットに寝転びながら2人で時刻表を眺めてつつ。

いろいろと、これからのお出かけプラン。と、いうのか。旅の計画?みたいな感じで話していた。


話していると、いろいろ浮かんでくるもので「ここ、行ったことないかな」や「あそこも、行ってみたい」「なら、ここも」「この車両見るだけで、いいから、行ってみたいかも」「この地域行くなら、お昼とかに、これ食べたいかな」や「スイーツもあるよ。混んでなかったら行きたい」などなどと、2人で結構盛り上がり。時間もあっという間に、過ぎていった気がする。


そして……話している時の宮町さんは、目を輝かせてとでもいうのか。

本当に楽しそうに?嬉しそう?かな。キラキラしている感じがした。っか。一体なん箇所行くんだろうというくらい。話したと思う――思います。


――思います。

というのは、俺の記憶が、怪しい為。確か、吉野の桜……というところまでは、しっかり覚えている。宮町さんと、時刻表見て、この列車マーク何?とかで、話していた。そして、吉野は、桜の時期だと混んでるよね。とか話していて……と、そのあたりのところまでは覚えている。のだが……。


いや、うん。昨日のことより。今のことを考えた方がいいかも。うん。今の状況。宮町さん起きたら……説明できるかな――?誤解のないように、説明しないといけないんだが……。


現在は、まだ、翌日の朝。時間は……何時だろう。

動きたいが、動けない。動くと、起こしそうだから――俺の隣で、気持ちよさそうに、寝ている宮町さんを――。


ちなみに、時刻表は2人につぶされていた――とかいうことはなく。

ちゃんと、頭の上。ベット上部に、置かれていたので……宮町さんが寝る時に、置いてくれたのだろうか?俺の記憶は――ない。無意識に俺がどけたのかもしれないが……記憶はないかな。

そして、どうしてこうなっているかは、わからないが。宮町さんは、俺に、ほぼ密着状態……何故—―?落ち着こう。落ち着こう俺。

まず落ち着こうである。変なことは――起こってない。

多分……話している途中で、俺が寝てしまったのだと思う。

記憶の中の宮町さんに、眠そうな感じは、全くなかったし。というか、居心地がよかったというのか。話が盛り上がるにつれて、宮町さんが近くに来たというのか……。


まあ、時刻表は一冊しかないので、自然と近い距離になっていたと思う。それでか、いい感じに居心地よく。というのか。安心するというのか。人の体温は、ちょうどいいみたいです。はい。でも、まさか寝てしまうとは――なんか宮町さんに失礼なことをした気がする……と俺が思っていたら。


「—―あっ、おはよう……早いね楓君」

「……お、おはよう。宮町さん」


俺が少し動いたからか。宮町さん起床。結構近い距離。数十センチくらいのところに宮町さんの顔があるのですが……っか、朝からなんですが、宮町さんがニヤニヤしています。何故でしょうか……俺にはわかりません。


「結局、一緒に寝ちゃったね?楓君?」

「……なんで、そんなに、楽しそうに、言うのでしょうか……」

「楓君の隣は、安心だからね。楓君も途中で、気持ちよさそうに、崩れていったから、カクカク可愛かったよ?」

「それは――すみません」

「いいのいいの。結構いい時間まで、話していたと思うし。私もすぐ、寝たと思うから」

「じゃ……まず、ベッドから降りようか。なんかこの距離で話していると、緊張するから」

「そうなの?楓君、いつも通りだと思うよ?」


いや、結構ドキドキです。はい。なんで、宮町さんそんなに普通なの?って、寝起きは……あまり見たことない気がするけど……もう完璧な宮町さんという。寝相が良いのか……。


「いや、うん。とりあえず――起きない?」

「まだ、ちょっと、まるまるしていたいけどね?」


なんか、寝起きだからか、宮町さんが可愛いこと言ってますか――ホントにいろいろと心臓に悪い。はい。確かにまだ寝転がっていたい気もするのだが……。


「……宮町さん、まだ、寝てても大丈夫ですが――」

「楓君、私の寝顔でも見たいの?」

「いや、そんなことは……」


と言いつつ思い出すと――うん。可愛かった。

あとちょっと、突っついてみたくなるような――って、一瞬なのだが。そんなことを考えてしまったので――。


「うんうん、楓君が、何か考えてるね?」


めっちゃ何か企んでいるというのか……ニヤニヤというのか。悪い顔した宮町さんに、見られていました。至近距離で。うん。目の前でニヤニヤしてました。


「……と、とりあえず、起きよう。うん。起きよう」

「うんうん。まあ、そうだね。このまま、寝起きをずっと見られるのは、ちょっと、恥ずかしいから」

「……そんな風には、見えなかったんだけど……」


無事、至近距離は、なくなりました。はい、ちょっと、俺も落ち着きだしました。


それからは、当たり前のように、宮町さんと、朝ごはん食べて、ちょっとのんびりして――。

そしたら「まだ、休みだし。帰っても、暇なだけだから、もう少しゆっくりしてっていいかな?」と、宮町さんが、言うので。まあ、断る理由もなく。俺も、多分することもないので。お昼も一緒に食べて……と、なんというのか。うん。一緒に生活?とか、言うと、怒られそうだが。そんな感じの午前午後でした。


そして、気になったこと。

何気に、宮町さんが、俺の部屋の中を把握していて、普通に、物を使いだしました……いいのかな?これ……って、なんで、俺より詳しいの!?だった。


今は「昨日、このあたりまで読んだね」と言いながら、時刻表にしおりを挟んでいたのだが――それ少し前からこの部屋で、行方不明になっていたのですがと俺が思いつつしおりを見つつ。宮町さんに聞いたところ――「楓君が読んでいる本と、本の間にあったよ?」と、言われたが……宮町さんいつ。本棚見てた?昨日、俺が風呂行ってる時?実は……めっちゃ、室内捜査されてる?とか思ったのだが――。

そういうことをあまり聞くと……なんか、俺自身も知らない。忘れているかもしれない地雷情報が、出てくるといけないので「そ、そうなんだ。探してたんだ、ありがとう……」と、言っておいたのだった。うん。余計なことは――というやつですね。


お昼の後はさすがに実家から、帰って来たままの荷物もある状態の宮町さんさすがに帰る準備を始めました。


「まあ、忘れものあっても、また、来るから大丈夫かな?」

「いやいや、ちゃんと確認して」

「はーい」


宮町さん、本当に、楽しそうにしてるな。と、か思いつつ。片付けしている宮町さんを俺は、見ていました。個人の荷物はね。変に触ると……何かあると大変なので。はい。


「じゃ、次は、オリエンテーションの日かな?」

「すぐだけどね」

「だね。じゃ、また来るね?」

「—―ここに?」

「もちろん!」


俺が聞くと――宮町さん、めっちゃいい笑顔してました。はい、キラキラしてましたね。うん。


「……ははは――あっ、駅まで送るよ。荷物、少し持つよ?」

「ホント?ありがと。じゃ、お願いしまーす」


それから伊勢川島駅まで、宮町さんを送ることになった。

少し前までの寒い。とかではなく。気持ちの良い気候に外はなって来た。歩くのにはちょうどいい感じだった。


「あっ、桜咲いてきたね」

「うん。去年は、桜見るとかより、大学1年目どうなるかとか思ってたら、もう葉桜?ほとんど葉っぱになってたかな」

「じゃ、オリエンテーションの時に、沙夜ちゃんと、白塚君も誘って、お花見しようか?確か午前中だけだったよね?」

「え。あ、うん。オリエンテーションは、午前中だけだったと思うけど」

「決まり。あ、荷物ありがとう」


と、何か、予定決まりました。そして、ちょうど駅に着いたので、改札前で、宮町さんに、荷物を渡す。


「えっと――次何分だっけ?」

「14時は51分だね」

「じゃ、もう来るね。ありがとう。あとお世話になりました」


と、宮町さん改札抜けてから、一度こちらを見て手を振りホームへ。って、荷物あるから無理しなくても、と思いつつ。俺も気が付いたら、軽く手を振りかえしていた。なんか――俺1年で宮町さん色になりつつある?


そのあと俺が駅舎から出たくらいに――踏切の音が聞こえて、電車が駅に入って来ていた。


――ちなみに数日後はまだ3月末だが――大学の2年目が始まります。

あれ?進級発表あった日から……2年?かな?いや、オリエンテーション初日が?かな……と俺はちょっと考えたが――特に大きな問題ではないのでオリエンテーション。大学に行った日から2年かな?とか思いつつ、家へと戻りました。


まさか同じ頃。車内で同じことを考えている方がいるとは思いませんでしたが……そして、2年生当日?に、爆弾発言があることも――。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る