第35話 早めのクリスマス会 ~終電~ 

柊の次は、俺が、風邪をひくのではないかと思っていた。3人での買い物?あれは、お茶会?だろうか……買い物ってしたっけ?まあ、その日から、しばらく。寒かろうが、大学は、普通にあるので、寒い中、毎日大学に。

あ、そうそう、誕生日の時に、宮町さんと、斎宮さんにもらったマフラー、手袋が大活躍中。暖かい。


「うんうん、似合ってるよ」

「これ、とても暖かいから、ホント重宝してるよ」

「よかったー。喜んでもらえて、来年は何がいいかなー」

「いやいや、宮町さん、まだ今年終わってないよ?そして、今日、まだ早いけど、柊の誕生日祝い。あと、斎宮さんに関しては、まだ先だよ?誕生日」

「あ、そうだね。でも、来年何あげようかなー。は、考えてて楽しいよ?」


と、お隣を歩く宮町さん言ってますが……来年もこんな感じに……お隣にいるのだろうか。というか、いる。宣言みたいに聞こえなくもなかったような……いや、そりゃ、居てもらえると、いろいろ助かるが。この間も、講義のレポートも一緒にしてもらったし。こうやって、話しながら大学という。もしかしたら、なかったかもしれないことが、出来ているから。うん。あれ?俺、結構宮町さんに、依存している……のか?


それから講義室に入り。いつものように講義を受ける。

途中、柊、斎宮さんとも合流し――。


――夕方。


「じゃ、あとで、行くから」

「おう、待ってる」

「柊、部屋片づけといてよ?」

「いや、片付いてるからな」

「ケーキは、まかせて。もらってから行くから」

「ありがと、海織ちゃん。楓君は、チキン大量購入お願いね」

「了解。コンビニ巡りしてから行くよ」


大学の帰り道、そんな話をしながら、一度帰宅。

今日は、この後、早めのクリスマス会と、早めの柊の誕生日会。

クリスマスっぽくという斎宮さんの意見により。ケーキを宮町さんが、一度帰りがてら、予約したのをもらってくる。

俺は、チキン担当。これは、柊が「クリスマス言えば、早かろうと、チキンだろ」と、言うので、どうしようか考えていたのだが、斎宮さん、宮町さんが。「今ってコンビニで売ってるの美味しいよね」と、言うことで。今から、大手コンビニ巡りを俺はしてくる。クリスマスとかには、まだ、世間は早いので、普通に売っているはずなので、いくつか仕入れてくる予定。


それから約2時間後。

俺は、ンビニ巡りを終えて、17時15分発の湯の山温泉行き普通に乗り。柊の家へと向かっていた。

なるべく匂いが漏れないように、してきたので大丈夫だろうが。まあ、満員電車にはなってないのでよかった。

駅に着くと、記憶を頼りに、柊の家へ。メッセージによると、宮町さん、斎宮さんはすでに来ていると。また、すでに、あの時買ったプレゼントは、届いているらしい。


「失礼します……寒かった……」

「あっ、楓君。お疲れ様」

「おー、楓、時間かかったな」

「コンビニ巡り、地味に、距離あったよ。チキンは、全種類変えたけど」

「おー、食べよう。食べよう。早く食べよー」

匂いにつられたのか、斎宮さんが突進してきた。

「なんで、沙夜の方がくらいついてるんだよ。っか、このお菓子の山どうしろと?」

「プレゼントだよー。ないより、マシって」

「いやいや……まあ、サークルのやつらなら食うか。ちょっと知らない味もあるから、食ってからだが」


お菓子の山は本当にお菓子の山だった。段ボールにドーンと。が、まあ気になる味もあったようで、よかったです。はい。

斎宮さんが「スーパーで、シャンメリー見つけた!」と、買ってきてくれていたので、なかなかいい感じに、早めの、クリスマス感があった。


「チキンすごいね」

「俺も、初めてこんなに買い歩いたよ」

「あ、私、ここのチキン好き。あっさり系だから」

「そうなんだ。このコンビニ、家の近くなかったから、この商品知らなかったよ」

「楓くんに、海織ちゃん。食べよー」

「だから、なんで、沙夜が仕切ってるんだよ」


いろいろありましたが。チキンにはずれなし。コンビニのチキン各種。その他のサラダ系とかは全部斎宮さんが準備してくれていたが。また、これともチキン合う。っか、チキン祭り。


「沙夜ちゃん、ケーキあるのも忘れないでね?」

「余裕、余裕ー、別腹です」


柊の部屋にあった、チキンや、その他食べ物は、早々と消えていく。このメンバー食べ物を残すことないメンバーだよな。と、最近、気が付いた。どのような時でも、みんなちゃんと、完食できる量しか作らない。買わないからか。ロスはない。

あと、片付けが楽。


そのあとのケーキは――。


「おい、誰だ、ローソク真面目に準備したやつは」

「斎宮さん」

「沙夜ちゃん」

「えへへー」

「褒めてない。ロウソクで、埋め尽くされてるじゃん」


ケーキは、斎宮さんが「ロウソクを立てたい」と準備してました。はい。


そういや、俺の時ははじめに断っといたからなかったが――まあ、ロウソクあると、誕生日ケーキ感はアップするな。まあ多すぎると……だが。

斎宮さんは、楽しんでるな。


まあ無事ロウソクの消化、撤去も終わり。

ケーキも一瞬で、消えましたとさ。


「あ、柊、柊。ゲームみんなでしようよ、この前したやつ面白かったから」

「あー、あのすごろくみたいなやつね」

「そうそう、また億万長者になるから」

「「??」」


その話には、俺と宮町さんが付いていけなかったが、数分後には、テレビが移動してきて、ゲーム機が登場し。


「なんていうか、人生歩みつつ見たいなゲームか」


説明書を見せてもらうとそんな感じに書かれていた。


「そうそう、すごろくで進んでいくだけだけど、結構いろいろイベントとかあるから、面白いんさ、沙夜最近ずっとやってるよ」

「いいじゃん。楽しいもん。柊を、貧乏人にするの」


ゲームはシンプル。すごろく言えば、すごろくと同じ。サイコロ振るだけでいいから。コントローラーも1つを4人で回せばいい。プレイヤー設定を各自して、0歳から始まる。

すごろく、と言っても、ゴールはない。また、マス目は何が書かれているかは、止まるまでわからない。それが四方八方というのか、かなり広いみたいで、柊曰く「寿命来るまでだな。たまに早々終わるときもあるが。この前100歳超えたな」など、行っていた。サイコロを振る順番が来るごとに、年を取っていくみたいな感じなのだろうか。とりあえず、4人で初めて見る。


そして、このゲーム。なかなかおもしろかった。

「柊、借金抱え込んだねー」

「主に、沙夜のせいだろ」

「楓君は、標準って感じだね」

「うん、よくも悪くもなく30代まで来たよ。宮町さんと斎宮さん。なんか、大金持ちになってるけど」

「たまたま、だよ。止まったマスに、スカウトとか、宝くじ当たるとかあったから」

「あっ、ちょ、俺の持っていた唯一の株が……暴落!」


それから、ゲームは進む。

今のところ、斎宮さんのキャラが一番裕福というか、結婚もし。会社まで持ち。と、いい暮らしをしている。一時期どん底だった。柊は、ギャンブルで大成功し。V字回復をして、ベンチャー企業というのか。とりあえず、お偉いさんにはなっていた。

俺は、途中解雇があったものの。再就職で、鉄道会社に入り。普通の生活をしているキャラに。


「海織ちゃんは、あの時プロポーズ受けてれば、億万長者だったのに」

「えー、でも……なんか、違うから」


宮町さんのキャラは、よく、有名人や、政治家も出てたか。あと、海外俳優かなんかに、プロポーズされたりしていたが。すべて蹴り。いろいろな分野に、挑戦し。各地で功績残す。みたいなキャラになっていた。


「楓君は、なんか、ホント未来予想図みたいだねー。なってそう」

「一度解雇あったのは……再現されてほしくないが」

「鉄道会社いるからか。楓君だけ、サイコロの数多いよね」

「あ、確かに」

「そういや、サイコロの数が増えるは、初めて見たな、なあ沙夜」

「うん。柊のサイコロ振れない地獄は知ってるけど」

「あれも、沙夜が原因だからな」

「えー」


さらに、すごろくゲームは、続く。


4人共のキャラは、ちょうど同じくらいというのか、80、90歳あたりで、止まったマスにより。人生を閉じ。そこでの成績?というのか、今までのトータル。幸せ度?みたいなやつなのかな?で、勝者が決まるのだが。


「海織ちゃんに、大逆転されたー」

「俺……また、借金で終わったし。あー、なんであそこで……」


ざっくり結果を話すと。


柊は、人生最後のギャンブルで破産した。

斎宮さんは、あれからトップを走り続け、普通なら圧勝の優雅な生活で、最後も多くの人に……だったのだが。

宮町さんのキャラがすごかった。いろいろなところを極めていたというのか。マスで、挑戦とか、新しいことする。とかのマスが出るとすべて挑戦し。そして、それなりの結果を残すというのだったが。最後あたりでなった、芸術家。で、世界的に認められるやらになり。最後数年で、一気に、斎宮さんのキャラに迫り。抜いた。強かった。

ちなみに、俺は、ホント平凡だった。鉄道会社に入ってからは、波はなくというのか定年まで進み。その後も、鉄道関係のサポートみたいな感じで、田舎の町で過ごすという。まあ、なんというか。平和といえば平和な生活で、終わった。

にしても、このゲームすごいな。何千通りとか、それ以上日あるのではないだろうか。今のゲームすごい。もう1回。いや2回3回としてみたいと思えた。


「あ、そういえば、楓と、宮町さん時間大丈夫?」

「あ」

「そういえば……」


スマホを起動させてみると、現在の時間は、23時13分。隣で、宮町さんが同じくスマホを触っており。


「菰野は……21分が最終だよ。楓君」

「やばい。っか、宮町さんは、四日市での連絡大丈夫?」

「うん、確か前に調べた時。四日市23時47分が最終だったから」


と、言うことで、俺と、宮町さん、バタバタと片付けて、荷物持ち。


「じゃ、柊帰るわ」

「ああ、気を付けて、プレゼントとチキン。サンキュー。あ、宮町さんもケーキありがとう」

「いえいえ、じゃ、白塚君ごめんね、バタバタと、沙夜ちゃんもおやすみー」

「うん、2人ともおやすみー……よーし、柊。私たちは、2回戦するよ」

「沙夜は、帰らんのかい」

「1位になってないからね。明日は休みだし」


後ろでそんな声を聞きながら、2人駅へと急いだのだが……。


――――。


「あちゃー……」

「あと、少しだったのに、行っちゃったね」


柊の家から、菰野駅は数分で行けるが。駅のロータリー入った時。ちょうど、最終の四日市行き普通が菰野駅を出るところを見た2人だった。

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