第26話 海行き臨時列車? ~迷駅発はわかりません~
名鉄名古屋駅発車してから、30分くらい経過したところか。
結局、宮町さんに付いていく。で、乗車したため行先もどこ向かっているかも、あやふやなまま。電車は走っている。
名古屋を出て、しばらくは結構な人で、車内は混雑していた。
それから少しして、やっと車内が空いてきて、座席に座る。
「やっと座れたー。名古屋はすごい人だよ……1人じゃ、来たくないよ」
「大丈夫だよ、沙夜ちゃん。慣れたら普通に使えるから。人は――いつも多いけど」
「あれ、慣れるの?見てても、全くわからなかったけど私……」
立っていた位置から空いた場所へと座ったので、今回は、男女で席が別れた。
なので俺の隣は柊が居る。
「俺、こっち方面乗るの初めてかもだわ」
「柊は、反対だもんな。岐阜だと」
「そうそう。空港とかも使わないからな。岐阜から出てきてる電車もあるから。こっちの行先は知ってるけどさ。名古屋から東?はあまり知り合いもいないし」
少し男女で、話していたら。「次の駅だよー、楓君に白塚君」と、宮町さんに言われ次の駅で降りた。駅に降りてからは、スピーディーに、物事が進んでいく。宮町さんの準備は完璧。
ちょうどお昼過ぎに、着いたのだが。駅前近くのコンビニ駐車場で、宮町さんの母が待機していた。あれ?そういえば、この駅、何駅だっけ……まあ、いいか。管轄外、管轄外っと。
「えっとね……確かコンビニに……あ、いたいた。ママー。ただいま」
――さすが宮町さんの母。似てるというか。若い。姉妹みたいだ。俺がそう思っていると、宮町さんの母にも娘の声が届いたのか。ちゃんとこちらを向いた。
「来た来た。おかえり。そして、皆さん遠いところからわざわざ」
「いえいえ、あっという間ですよ。あ、俺、白塚柊です。お世話になります」
こういうとき柊は、すぐ話せるんだよな。さっと挨拶して、初対面の人と話すの得意でない俺的には大変助かる。きっかけ作ってくれるのは、柊に、続くように「初めまして、斎宮沙夜です」「加茂楓です。2日間よろしくお願いします」俺と、斎宮さんも続く。
「あらあら、ご丁寧に、海織の母です。とりあえず、暑いから車に、乗って乗って」
それから、宮町家の車に乗車。そういえば、車って久しぶりに乗るな。大学来てから乗ることなかったから。
4人が乗ると車が走り出す。そのまま、宮町さんの実家へ。と、思っていたら。
「美味しいご飯屋さんあるから。お昼食べてきましょうか。みんなまだでしょ?」
宮町さん母の提案で、お昼食べてから向かうことに。
車で少し行ったところに、良い感じの建物の食堂が現れた。看板の文字のかすれ方というのか。長年この場所に、ありますよ。という感じの店。
「ここのご飯。美味しいよ。あと安い」
「なんか懐かしい食堂って感じだね」
「海織は小さいころから、ここばっかだからね」
「そうそう」
と、前を歩く女の子……いや、女性3名。
斎宮さんもう馴染んでいる。あと、これ、ホント宮町さんの母。宮町さんと斎宮さんと一緒に居たら……同年代に見えそう。と、思っていると隣にいた柊も。
「なあ、宮町さんの親。めっちゃ綺麗じゃないか?」
「うん、今思ってた、姉妹みたいって」
「だよな。楓はいいな」
「なにが?」
「宮町さんに懐かれて」
「……どういうことだそれ。っか、懐かれてる。って、ないだろ」
懐かれている?俺が、宮町さん?いやいや、よく一緒に居るだけだから。
柊の謎な会話していると、お店の人に、和室へと案内してもらい、5人で昼食。
「そういえば宮町さん」
「うん?どしたの楓君」
「宮町さんのお父さんは?なんか話している時は、迎えとか頼む言ってなかった?」
「あー、今買い出しに行ってもらってる」
「……なるほど」
「そうそう。パパ優しいから、なんでも言うこと聞いてくれるからね。で、お迎えは、みんなを見たい言ったママになりました」
「海織ちゃんところ。いいなー。うちの親。厳しいよー、おじいちゃんおばあちゃんは優しいけど」
「あら、そういえば加茂君だったかしら?」
「はい?」
「いつも娘がお世話に……」
「ママ。今はその話。いいからー」
「えー。ママショック!」
と、何かを察した宮町さんにより母との会話は早々に切れました。っか、宮町さんの母……お茶目言うのか……やっぱり姉妹説で通りそう。
それから「なんでも好きなもの食べて頂戴」と、俺の中で勝手に姉妹説になっている、宮町さん母に言われ、各自それぞれ定食やら注文させてもらった。
そして、出てきた料理は、ボリュームもあり。そして、味が懐かしいというか。落ち着く味。実家の料理みたいな感じでとても美味しかった。さらに驚いたのは、注文時。
「安っ、ここの料理全部安くね?なあ楓」
柊が同じくメニュー見て言っていた。
だって、5人で、定食を食べているが。これ2500円出したら100円おつり来るんですけど……。
大学の食堂に是非とか言いたい。
宮町さん曰く。これでも100円くらい値上げしたらしいが……いやいや、もう少し値上げしても大丈夫ですよ。店長さん。
安くてボリューム満点のお昼の後は、宮町さんの実家へ移動。
駅と、お店の近くは家や、店が結構あったが、少し走っていくと、田んぼとか、畑が出てきて。ちょっと家も、まばらになって来た。そして、そのあたりが、宮町さんの実家の場所だった。
「やっぱり――大きい家」
「そうかな?」
「いや、大きいよ、家2軒もあるし」
実家到着時、宮町さんに言った。だって、多分敷地内?に家2軒建ってるし。多分平屋の方が、この前言ってた……空き家かな?で、家の中で車がUターン余裕でできるスペースあるし。なんか斎宮さんところもこんな感じだったような……みんな家大きいな。
それから、各自が持っていた荷物を、2日間借りる空き家の方に運ぶ。
空き家といっても、物置に使ったり、人が来た時にご飯食べたりに使うらしく。中は綺麗で、設備もちゃんとしていた。問題なくここで住めるレベル。間取りは……入り口があって、すぐに広い居間?畳の部屋が、あって。あとは、洗面所や風呂とかが部屋と反対のところにあると。宮町さんから、説明を聞いていて、なんか、地元の公民館を思い出した。入ってホール。物置があって、トイレとかがある。あのシンプルな感じの。わかんないか。
「洗面所とかがこっちね。荷物は、この部屋に置いといたらいいから。あ、前にも言ったけど、寝室とかはないから、この部屋で雑魚寝?みたいになるけど……大丈夫だよね?布団は来客用ちゃんとあるから」
「OKOKー。修学旅行みたいで楽しそうだから」
女の子2人、今日も楽しそうです。そういや、雑魚寝になるとか言ってたな。まだ4人ならいい。前の2人より。柊も居るし。と、話聞いたときに思っていた俺。
あれ?そういえば柊は?と、思っていると。いつの間にか、宮町さん母のところで、荷物を運んでました。行動早いな、柊。どうやら、宮町さん母が、飲み物やら持って来てくれたようだ。
荷物を置いた後は、夜の準備開始。ちょうど宮町さん父も帰ってきて、3人は挨拶するために外出たら――バーベキュー用のセットを出していた……って、バーベキュー用のセットがある宮町家って……キャンプ場とかにありそうなの普通に出てきたよ。
ちなみに、宮町さんの父は、優しそうな感じの人で、背高い。めっちゃ高くない?そして、確かに宮町さんに甘いというか。言われたらすぐ動くみたいな感じの人でした。
その優しそうな父が、買ってきてくれたのは、食材など。そこから、食材の準備は宮町さんの母がしてくれるようで、材料を宮町家の方に運ぶ男3名。宮町さんの父も居るので、3人。荷物も6人分だとそれなりにあった。
荷物運ぶ際に、宮町さんの家の方も入ったが。綺麗で、広いお家。ちょっと気になったのは、宮町さんの母。なんかキッチンで、
まあ、それは……あとでわかるから聞かなくていいか。と、荷物を運び入れて。そのあとは、男性陣3名。外の準備。
といってもそんなにすることはまだないので、すぐ終わった。そういえば、宮町家。ちゃんと日除けに、庭にサンシェードだっけ?が、設置されてました。夕方でも暑いから助かりそう。と、日除け眺めていると。
「楓君楓君」
「どうしたの?宮町さん」
「花火。買いに行こうよ」
「あー、そういえば夜するって」
「そうそう、この時期なら近くのコンビニとかでも売ってるから」
宮町さん曰く、柊と斎宮さんは、家の方で、材料切ったりするの手伝っている。と。
なので、宮町さんと2人、花火の買い出しに。家から出るとき、なんか、宮町さん父の視線があったような……気のせいだな。うん。気のせい。
「4人でするから。結構花火いるかなー」
「どうだろう、そもそも花火の1人分ってのがわからないんだけど……」
「いい感じのたくさん買ってこうよ。多分、沙夜ちゃんがダブル。とか、言って、一気に使いそうだから」
「なんかその姿予想できるな。うん」
「あ、線香花火も入ってるかな。私好きなんだー」
「あー、線香花火いいよね。俺もあれ好きだな。なんか、難しいけど最後まで、できるとちょっとうれしい」
「そうそう、最後の瞬間儚い感じもするけど、綺麗でいいよね。線香花火って、持つ時、角度を何度かに傾けると良いって言うよね」
「あ、それ聞いたことあるな。最近しないから試したことないけど」
「じゃあ、あとで勝負ね」
「勝負!?」
コンビニ到着。
宮町さんの言う通り、結構花火置いてあった。このあたり需要があるのかな?海も近いみたいだし。そして、手持ち花火中心に大量買い。線香花火ももちろんあった。
そして、花火買ってからは、空き家で、夕方になるまでしばし、休憩時間となった。
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