第18話 試験前後 ~8時21分到着必須~
バタバタの斎宮さんとのお出かけも、もう結構前の事。
今思えば――あれはあれで、なかなか楽しかったのだが。
なぜか、あれから宮町さんもどこか行こうよ。と、よく言ってきていた。なんで、俺なんかとどこか行きたがるのかわからなかったが……まあ少し前からは理由があって、言ってくることはないが。ないというか。それどころではないが正しいのだろうか?
ちなみに、あれから、柊と斎宮さん。特に問題なく仲良しです。はい。
そして、宮町さんがお出かけに関して言ってこなくなったのは、大学の方で試験発表があったから。
まあ、終わったら行こうやらは、言っていた気がするが。今はこの話題はストップ。
初めての試験。どんな感じかまだ分かってないが。大学の一部科目は持ち込み可能。というのがあり。
とにかくその科目はノートやら準備しておけば……何とかなるかもで、準備している。
暗記やらのは、1週間前くらいから必死に――。
とりあえず取れる科目は取る。あ、必須科目卒業や進級にいる単位は、何が何でも取らなくては。
あ、ちなみに試験のない科目もあった。出席だけというのか。高校でいう教室?クラス?あの科目は無いようで、普段の出席と提出物みたいだった。あれは、あれで助かるが。出席してなかった人が悲鳴をあげていたが。
まあ、授業っていう感じより、オリエンテーション?というか……今後のゼミの雰囲気に早くから慣れのため?みたいな感じなのか。あ、でも何回かに一度。課題はあり。テーマが出されてまとめてくるとかあったから。授業なのか。っか、レポートのオリエンテーションのようなものだったのだろうか……はじめの頃の思いっきりただの感想出した気がする……大丈夫かなー?
あとは、レポート提出の科目もいくつかあった。それは提出日までに、作っておかないといけないので……今はとても、それはとても必死に作っていた。絶対後回しにすると時間が足らなくなり悲鳴を上げる未来が見えていたので。
――カタカタ。
カタカタ。
現在の状況。自宅にて、とにかくレポートだけでも早く終わらそうと、図書室やらでレポートの書き方とかの本を借りてきて作業中。
1つではなく複数の科目でレポートがあったため。なかなかの量になっている。
まあ、取れるだけ授業を取っていたので、試験の科目が増えるのは当たり前だが――。
このように対策するといい。過去にはこんな問題出ていたなど。もしかしたら、先輩とのつながりがあったら、過去問や、どのような問題が出るか、分かったかもだが。あいにく俺にはそのような先輩はいない。
確か柊は、過去の問題見せてもらったとか言っていたが。残念ながら俺はその先生の講義受けていなかった。
つながりの少ない俺1人黙々……いや。1人じゃないな。
さっきからもう1つパソコンをたたく音が部屋の中で響いている。
「楓君終わった?」
「……全くです。宮町さんは?」
「今は半分くらい……かな」
「順調だね」
「でも、結構やり直してるよ?」
「いやいや、結構宮町さん作るの早いと思うよ?」
「そうかな?」
と、もう当たり前と言った方がいいのではないだろうか。
宮町さんが、普通に俺の部屋で、普通に正面に座り。パソコンたたいている。
なぜこうなっているかといえば、試験発表があり。もちろん多くの科目で一緒の宮町さん。
俺が図書室でレポートの書き方やらの本探していたら、どことなく現れて……。
「あ、じゃあ休みに一緒にしようよ。相談しながらできるし」
と、言われて現在に至る。
午前中から宮町さん来て、すでに1時間ほどか、パソコンとにらめっこしているが。まだ完成した科目はない。早く初めてよかったと。これ、できるかな。もう疲れてきた。何もできていないのに。
「宮町さん。1回休憩する?お昼の時間だし」
「あ、もうそんな時間?お昼どうする?外暑いけどどこか見に行く?」
「ちなみに、家だと……すぐできるのは……そうめんならあるけど」
「あ、いいね。夏って感じで。そうめんにしようか」
まあ、本当に夏なのだが。
外はめっちゃ暑い。梅雨明けしたら一気に夏となった。災害級の暑さとか来なくいていい。本当に。
今日、宮町さんが朝から来たのも「暑くなる前に行くよ」と、暑い日中に外歩かなくていいようにのためだろうし。パソコンとか持って来ているので、荷物持って暑い中歩きたくないよな。と、勝手に解釈している。多分合っているだろう。
そのため、俺は、宮町さんが朝から来るからで、休みだが大変規則正しく起きれたが。さすがに宮町さん来た時、まだ寝てました。はできないので、目覚ましかけ昨日はちゃんと寝ました。
そんなこんなで、お昼。
さっと、そうめん茹でて、2人で食べる。
いや、普通ならなさそうなことなんだが。女の子と部屋で食事とか。でも、なんかもうこれ当たり前の雰囲気が――。
大学でもほぼお昼一緒だし。
しいて言うなら、いつもよりちょっと静か。柊も斎宮さんもいないので。
「夏はそうめん美味しいよね」
「うん。楽だし。すぐ食べれるからね」
「私は冬でもにゅうめんでたべるかな」
「あー、にゅうめんもおいしいよね」
「あれ、奈良県が発祥って沙夜ちゃんが言ってたかな?」
「え?そうなの?」
「らしいよ。諸説ありだと思うけど」
と、話しながらお昼食べて――レポート再開。
「序論……本論……結論……ね。うーん――」
「楓君苦戦中だね」
「ほんと、これで規定の文字数とか。先が長い」
「大丈夫だよ。ファイトファイト」
「宮町さんどんどん片付けるね」
「あ、プリンター結構使っちゃってるけど、よかった?」
「うん、問題なし。インクも予備あるし」
「ありがと」
と、宮町さん少し助言受けつつ。1つ片付け……2つ片付け……としているとあっという間に、夕方だった。
いや、自分の集中力こんなにあったのか……もしかして、宮町さんと一緒だったから?
と、背伸びしていると。
「終わったー」
と、宮町さんが言った――マジっすか。と俺は思いつつ。
「宮町さん終わったの?全部」
「うん、これで印刷したら終わり。あ、でも誤字脱字あるかもだから。それはまたあとでチェックかな」
「すごい……」
すると、宮町さん何かを思いついたのか。
「あ、楓君楓君」
「どうしたの?」
「晩御飯私が作ってもいい?」
「はい?」
「ダメかな?」
「いや……それは大変ありがたいですが……」
「じゃ、場所やプリンター貸してもらったから、がんばるね」
あれ、これめっちゃ幸せなことでは?と。
「楓君何食べたい?」
「え?リクエストあり?」
「うん。できるものならねー。買い物行ってくるよ」
「うーん。最近食べてないのは……ハンバーグ?あ、でもまだ外暑くない?」
「大丈夫大丈夫。OKー。ハンバングね」
「ハンバーグ作れるんだ宮町さん」
「うん。まかせなさい。じゃちょっと行ってきます」
「あ、はい。お願いします。」
「楓君はレポート頑張ってねー」
と、宮町さん外出。
俺、そこからサボると……なので、とりあえず終わらすために頑張る。
目が――つらい。
それからしばらくして、宮町さん帰ってきて、調理器具やらの場所教えたら。
「じゃ、楓君レポートの続き頑張って。こっちは立ち入り禁止ね」
「……はい」
と、追い出されました。
それからリズムの良い包丁の音が聞こえ、次第にいい香りしてきました。
これはこれで、レポートに集中できない。お腹がすく。
「楓君もうすぐできるよ」
と、声がしたので、慌ててパソコンなど片付ける。
「おまたせしました。ハンバーグ……定食?かな」
「……すごいな」
お皿やらはもちろんうちにあるで、今までも使っていたものだが。乗っている料理。めっちゃ……美味しそう。
ハンバーグのほかにちゃんとご飯とスープまだ付いていた。
なんか皿たちが喜んでいそうなほど美味しそうな料理出てきました。
「宮町さん……すごいね。とっても美味しそう」
「そ、そう?よかったー……あ、冷める前に食べようよ」
「あっ、うん。いただきます」
「はい、どうぞー」
一口食べる――うん。文句なく美味しい。肉汁がすごい。って、これお店レベルでは?
「—―どうかな?」
「お店レベルです」
「そ、それはないよー。でもありがと」
「いやいや、ほんと。めっちゃ美味しい」
あっという間にハンバーグは消えました。
そして、とっても幸せでした。
そのあとは、片づけやらして、駅まで宮町さん送り。
その日のうちに俺もレポートは完成させた。夜中までかかったが……。
それからは、レポート以外の試験対策。
持ち込みできるのは、ノートのみとかの科目は、ノートにとにかくいろいろ書いたり。
テキストなどの持ち込みができるのは、なにがどこに書いてあるかなどがわかるように、やらしつつ。テスト前の講義もまだあるので、結構バタバタ。
途中、柊から「試験なに出るんだー。助けてくれー楓ー」とか来たが、ごめん。その相手をするほど余裕はなかった。宮町さんも斎宮さんとよく勉強しているやら言ってたが。初めての試験全く予想できないまま当日に。
テスト初日。俺は普段より早い電車に乗っていた。
テスト時間はいつもの講義時間と同じだが、初めてということで、余裕を持って出ていた。
川島駅08時04分の電車乗り大学へ――。
普段は乗らないひとつ前の電車は、高校生が結構多く乗っていた。すると。
「あれ?楓君?」
「……宮町さん、おはよう」
「おはよう、楓君も早い電車乗ったんだ」
「なんとなくね。余裕持ってって感じで」
「だよね。私も試験時間に間に合わなかったらって考えると、早く動こうかなって」
と、まさかの時間早くしても宮町さんと一緒になるとは……。
これは偶然なのだろうか……なんかセンサー付けられてるのか?電車の車両もいつも適当に乗るんだが……気のせいだよな。うん。
宮町さんと話していると08時21分。いつもより早く湯の山温泉駅に到着。
高校生集団の後ろの方を宮町さんと歩き、まだ少ししかいない講義室へ。
というか、ほかにも結構早くから来ている人いてびっくり。
試験は学生番号の順番のものと。大講義室は印のある席で受験。となっていた。
大学初のテストは、後者だったので、一緒に受ける宮町さんとともに、長机の通路側にあたる端と端に座った。
それから少ししたら講義室は人で埋まっていく。
開始10分くらい前からは先生が来たため部屋が静かになった。
それから90分の試験開始。
90分もある。と、思うかもしれないが――俺は見直しやらやらしていたらあっという間に90分過ぎた。
「はい。やめてください」
と、チャイムとともに先生の声が響く。
解答用紙を提出。マークシートだったが塗り間違えないよな……とか思いながら出した。
「どうだった?楓君」
「多分、それなりには」
「わたしも、塗り間違えなければ」
「宮町さんにミスはないと思うんだけど」
と、宮町さんと話しながら、次の講義へ。
そこでは、柊や斎宮さんとも合流。2人とも1限は他で試験をしていたみたいで、すでに集中力使い切った。と嘆いていたが。すぐに2限の試験も始まった。
そんな試験期間が1週間続いた。
試験最終日。最終科目。これは4人がそろっていた。
終了のチャイムとともに……一気に気が抜ける。
「終わったー」
「疲れたー」
と、終わると同時に、柊と斎宮さんが机につぶれている。
大学はこの試験の後に集中講義期間。というのがあったが、俺は関係ない。
なんていうのか短期集中型の科目というのか。数日でぎゅっと詰め込んだ科目?というのか。まあ、俺はその科目取っていないので詳しくは知らない。
とりあえずこれで前期の授業は終わり。あとはレポート提出を提出日にしたら終わり。
宮町さんと試験前に片付けたのはかなり大きく。確認の時間は多くあり。多分大丈夫。何度も誤字脱字も見たし。参考文献やらもちゃんと記載した。あとは拝んでおこうか。
「楓ー。レポート手伝ってくれー!」
「……」
と、柊に提出日数日前に言われるとは思わなかったが。
で、試験終了後もなんやかんやとあったが。数日後無事レポートも提出し。
これでやっと4週間ほどの夏休みに入った。
これも初か。大学の夏休み。
どうなるかは……まだ知らない事。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます