第6話 帰省列車 ~18時03分発実家へ~

翌日。今日もすっきりと晴れたいい天気。

昨日は、久しぶりにいろいろなことがあったからかよく寝れ。気分もすっきりと俺は起きれた。

そして、どうやら昨日のあった出来事も夢ではなく現実らしく。

朝起きて、スマホを確認すると。柊からメッセージが来ていた。


「楓―。名古屋までのベストな乗り換え調べてくれー」


朝からなんだろうか。

と、なんと返事するものなのか。と思っていると。

すでに家を出る時間が迫っていた。


電車の中で、返事をすればいいかと思い。

一度スマホをカバンの中に。


さっと、朝食を食べ。今日は時刻表を持たずに、、、


「あった方がいいのかな……」


と、地味に重いのでどうしようかと思ったが、柊からのメールもあり。

まだ講義のテキストなどもないので、そのままカバンに入れて家を出た。


8時23分。定刻通り今日も3両編成の電車がやってくる。


朝はどうしても人が多い。まして終点に高校と大学だ。

朝は座るということはできないので乗ってドア付近にいることにした。

ドアが閉まり走り出す。

20分弱の移動。

スマホを出し。柊に返事をしようとすると。

横から聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「おはよー。楓君」

「……へっ?」

「うん?どうかした?」

「あ、いや、声かけてくる人いるとは思わなかったから。その……おはよう。宮町さん」


隣に立っていたのは昨日知り合った宮町さん。

なんかいいことでもあったのか朝からニコニコと機嫌よさそう。な気がした。


「ごめんごめん。ふと顔上げたら楓君乗ってきてね」

「そうなんだ。宮町さんも朝から?」

「そう。楓君も?」

「うん。とりあえずどんな講義か見れる時なら見ようかと」

「朝一はどこ?大講義室の?」

「え、う、うん」

「なら一緒だ。私も聞いてみようとしてたんだ」


と、そんな話をしていたら20分弱などすぐだった。


8時41分。終点湯の山温泉駅到着。

そこからはまた人の波の中を大学向いて歩いていく。

昨日と違うことといえば、隣で話している宮町さんがいること。


電車を降りてからも、講義のこととかを話しながら歩いていく。

そして、どうやら選ぼうとしている講義が似ているのか。午前中は同じ流れだった。


長い坂道も、話していたらあっという間に上り。気が付いたら大講義室内。

席は自由とのことだったので、どこに座ろうかと思っていたら。


「楓君こっち空いてるよ」


と、宮町さんに言われるがままというのか。呼ばれたので、前の方の窓際に座る。

個人的には前でも後ろでもどこでもよかったが。

まさか隣に女の子がいるというのは、予想してなかったが……。


そもそも女の子という表現がいいのか。女性がいいのか。見た目はかわいい。という感じなのでなんとなく。女の子と。思っているが。実は失礼なのだろうか。

やらやら。考えていると。


「そうそう。楓君」

「……えっ?なに?」

「教えて」


宮町さんはスマホの画面をこちらに見せている。

何かと思えばその画面は昨日も見た画面んだった。


「あ、連絡先か」

「そうそう。昨日帰ってから気が付いたんだけど。沙夜ちゃんしか知らなくて」

「あ、斎宮さんは知ってたんだ」

「パン屋さんの帰りにね」

「……なるほど」


あの帰り道そんなことをしている雰囲気あっただろうか。

いや、さっと画面出せばか。うん。俺にはわからない世界だ。

とか思いながら。スマホ出し。


昨日と同じように画面を出し。登録作業。

さすがに2日連続。スムーズにできた。


「ありがと」

「あとは……白塚くんだ」

宮町さんが言ったとき。思い出した。


「あ、柊に返事してない」

「うん?」


と、言ったとき。担当の先生。大学は教授というのだろうか。とにかく先生が入ってきたため。とりあえず授業の準備をした。


ちなみにだが、1限と2限の講義の休み時間に一応、柊にはメッセージの返事をしておいた。

それから、2限講義を宮町さんと受け、今はお昼を求めて食堂へ。別々に行くのかと思ったら。


「せっかくだし一緒に食べようよ」


と、言われたので断る理由もないので各自お昼を求め一緒に食堂へと歩いてきた。

のだが。やはり食堂は今日も人が多く。2人で売店へ行きお昼を購入。

それから、どうしようか。で、宮町さんが昨日と同じところなら空いてるんじゃないかな?と、いうことで、昨日と同じところへ移動した。

宮町さんの思った通りというのか。ちょっと食堂などから離れたこのスペースは、今日も空いていた。


そして昨日と同じベンチに座る。

すると。


「沙夜ちゃんたちも、もう大学来てるからこっち来るって」


宮町さんより報告。いつの間にか、斎宮さんにもメッセージを入れていたらしい。まあ2人より人が増えた方がいいわな。うん。

それからすぐに2人は来た。


「おつかれー。あ、楓―、名古屋までー、頼む」


とか、柊は来るなりそんなことを言っていた。


「何言ってんの?柊」

隣から、斎宮さんが、言いながら寄ってくる。

「海織ちゃんに、楓くんもおはよー」

「もうお昼だけどね。おはよ。沙夜ちゃん」


一気ににぎやかになった。

柊と斎宮さんは2限が空いていたらしく。食堂ですでにお昼を食べてきたと。

なるほど、2限ない人もいるから2限終わってすぐでもあんなに混んでたのか。と、1人納得。


宮町さんと斎宮さんは、何やらすでに話し込んでいるみたいなので、

お昼をかじりながら。


「えっと、柊。名古屋っていつ行くの?」

「いや、この後。夕方かな?」

「へ?」

「いや、急に実家に用事できてさ。で、楓に一番ベストな方法調べてもらおうと」

「それなら、スマホで調べた方が乗り換えとか早くないかな?」

「まあまあ、せっかくだし。楓はどんなルートかなとか思って」


やらやら言うので、まあ時間もあるしで。

時刻表だし。見てみる。


「って、ちゃんと時刻表持ち歩いてる楓がすごいわ」

「あ、いや、柊が聞いてきてたから。いるかな思って」

「調べる気満々じゃん。じゃ、よろしく」


と、すると……。


「楓くん今日も時刻表検索?」

「あ、ほんとだ。あ、そうそう、白塚君連絡先教えて。昨日聞き忘れて」

「あ、そういえば、宮町さんは、聞いてなかったな。えっと……ちょっと、待って。スマホスマホ……」


いつの間にか、宮町さん斎宮さんも、寄ってきていた。

斎宮さんも気になったのか時刻表のぞき込んできていた。


ちょっと見られながら……は気にはなるが。俺のやることは調べるだけなので、該当ページを探す。


「柊。夕方って何時くらい?」

「あー。1回アパート帰るから。6時前後で頼む」


ということなので。


「じゃあ……菰野18時03分で。四日市18時21分。四日市18時26分の準急は……あ、あとの急行の方が名古屋は早いから。四日市18時31分の急行乗ったら。19時07分には名古屋着くけど。名鉄はこれじゃわからないんだけど……」

「え、時刻表って抜かすとかもわかるわけ?」

「一応着く時間がわかるから。乗り換えもわかったりするけど」

「すげー。数字しか書いてないように思うけど。スマホの検索とかじゃ。これがベストみたいな感じで。ちょっと検索設定してないと。特急乗ることになってるからな。あ、名鉄はいいんだが。こっちは追加料金あるから」

「まあ、確かに、あと、スマホの検索によっては、乗り換え時間が短いと乗れない。みたいに出る場合もあるから」

「え。乗れるのに表示されないのか?なら、時刻表最強だな。全部わかるじゃん」

「まあ、定刻通りならね。あと、駅構内もわかってたら乗り換えもスムーズだし意外と乗れる場合って。あ、多分四日市は名古屋向きホーム違うホームだと思うから」

「あーそういえば、来るときもだったな。気を付けるわって。3分だっけ?菰野」

「そう」

「それ乗り遅れないようにしないとな。まあ3限受けて帰れば余裕か」


大学で、2日連続で、時刻表見ながら時刻検索をした後は。

各自講義へ。次の時間は4人ともバラバラだったようで。講義終わり柊が無事乗れたかはわからなかったが。

その日の夜。


「楓の言った通り乗れたわー。今名古屋で乗り換え待ち。名鉄は岐阜行き乗ればいいから楽だわー」


と、メッセージが来ていた。

よかったよかった。役に立ったようで。

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