case9
「その女の子もしかしてこの子じゃないですか・・」
弱弱しい声でその男性が一枚の写真を私に見せてきたんです。
「あ、はい、この人です。この人を先程こちらまでお送りしました。」
その写真に写る優しそうな笑顔で微笑む女の子こそ私が駅で乗せてきたお客様だったんです。
「そうでしたか・・この子が・・」
男性は急に目元を手で押さえて下を向き何も喋らなくなってしまったんです。
「どうかされましたか?その女の子今さっきこの家の玄関から中へと入っていきましたが?」
私がそう言うと、その男性が顔を上げて私に言いました。
「この写真の女の子は私の娘です。1週間前に病気で死にました・・」
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