case9

 私はラジオを聞きながら女の子が戻ってくるのを待ってたんですが、一向に戻ってくる気配がないんです。ふと時計を見たら10分はもう過ぎようとしていました。お客さんをトイレのために公園で降ろして30分くらい待ってた事もあるのし、駅のロータリーでお客さんをずーっと待つのも慣れてるので私はそのまま待つ事にしました。


 「おや?あそこで庭に水を撒いてるのはお母さんじゃないのかな?」


ふと庭先に視線を送ったらその女の子のお母さんくらいの年齢の方が庭に水を撒いてるのが見えたんです。久しぶりに娘が病院から退院して帰ってきたのに外でずーっと水を撒いてるのも何かおかしいなて感じたんですが、しばらくするとその方と視線がちょうど合ったんです。向こうは何か不思議そうな目でこっちを見てましたね。

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