case3

 「ど、どうしたんですか??顔から血が流れてますよ?」


私は窓を開けてお巡りさんにそう言いました。するとそのお巡りさんが一言だけ私に言ったんです。


 「・・気をつけてください・・刃物を持った男がこの辺りにいますから・・」


そう言うとそのお巡りさんは右側を向きそのまま歩いていったんです。丁度タクシーの正面を。お巡りさんの背中はベッタリ濡れていたんです。紺色のベストみたいのを着ていたんでただ濡れてるようにしか見えなかったんですけどね。でも何かフラフラ歩いてるように見えたのでしかも顔は血塗れだし、私は急いで携帯電話で消防に通報しょうと隣の席に置いてある携帯を取るため屈んだんです。そして携帯を手に取り再び上体を起こして前を見たところ。


 「あれ?あのお巡りさんは??どこいったんだろ??」


ほんの1秒足らず携帯を取るために屈んで起き上がってすぐに視線からお巡りさんの姿があとかたもなく消えていたんですよ。見通しの良い直線の一方通行の道路でですよ?

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