その世界では、特別な存在と畏怖される竜族。特に漆黒の竜は一族の中でも一目置かれ、あらゆる種族から愛されていた。その黒竜が新陳代謝を経て誕生するところから始まり、様々な経験を積んで成長してゆくという、ハートフルなファンタジー長編だ。
童話テイストで語られる地の文と、愛らしさ溢れる黒竜(くろドラ)ちゃんの話し方に、読み手の心は癒されることだろう。周りを固める竜族のお友達や、古の森で共に暮らす不思議な動物たち、そして他国に住まう人や妖精などの類まで、一つ一つのキャラに命を吹き込んだ筆力に、ページをめくる手が止まらなくなる。特に蜂だ! 羽音だけで会話が成り立っているアイデアと表現力は凄いの一言。
読めば必ず自分を見つめ直したくなるはずです。ゆっくりと、じっくりと、古の森に迷い込んで下さい☆