第58話天才ミクちゃんの相談室
ミクちゃん、小学校三年生の女の子。
今日も昼休みの時間に「ミクちゃんの相談室」を開く。
ミクちゃんがいつものように、教室の自分の机の上に「相談室」という札を立てて、お客を待つ。
すると、相談室の常連さんのマイちゃんがやってきた。
「ミクちゃん、悩みがあるの、聞いてくれる?」とマイちゃん、おずおずと言う。
「うん、なんでも聞いてちょうだい」、ミクちゃん、笑顔で接客する。それは大事。
「ミクちゃん、私、隣のクラスのケンタ君が好きなの。でも、告白できない。どうすればいいかな?」。
ミクちゃん、満面の笑顔で答える。
「ふんふん、それなら簡単よ。まずは隣のクラスに女子の友達を作るの。そうして、自然に隣のクラスに入って行くようにして、まずはケンタ君の目にマイちゃんが入るようにするの。そうしてからケンタ君の前でわざと転んで、ケンタ君に助けてもらうの。男の子って、ちょっと弱ってる女の子を助けたくなるものよ。そうすれば、恋の始まりよ」。
ミクちゃん、なかなかの戦略家。
マイちゃん、それは喜んで、喜んで「ミクちゃん、私、立派なドジっ子になってみせる」、とはしゃいで隣のクラスに行った。
お次のお客は理論家のダイスケ君。
ダイスケ君、鋭い目でミクちゃんを見据えると、言った。
「ミクちゃん、どうも僕は考えすぎて、夜眠れないのだよ。どうすればいい?」。
あ~、この悩みレベルになるともう、臨床心理士に相談するしかないかも。
でも、ミクちゃん、ハイレベルの悩みからも逃げず、真摯に対応する。
「ダイスケ君、それは寝る前のホットミルクで解決よ。寝れない時は、ほっかほかのミルクを飲むことで、神経が治まるの。カルシウムを摂るのは心にも最適よ」。
ダイスケ君、それを聞くとニコッと笑い、「そうだね、ホットミルク飲もう」と素直に受け入れた。ミクちゃん、信頼度ばっちり。
次のお客はガキ大将のタロウ君。
この子は、まぁ、わがまま。
「ミク、俺と将来結婚してくれ」。
タロウ君はそういうと、ニヤッと笑い、ミクちゃんの手をとった。
しかし、ミクちゃん、その手を離したと思ったら、タロウ君に思いっきりビンタ。
「ばち~~ん」という豪快な音が教室に響くのだった。
そして、ミクちゃん、一言、
「バカには、バカなりの解決法があるのよ。この天才ミクちゃん、いざとなったら肉体言語で分からせるわよ」。
天才ミクちゃん、実は空手をひそかに習う武闘派でもあるのだった。
う~ん、今日もミクちゃんの相談室は大繁盛。
ミクちゃんは、みんなのために今日も様々な言葉を駆使し、そして華麗なる武力行使をするのだった。
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