第96話 寝た?

ソ連の入居


「同志、公営住宅の入居について相談が、という娘さんが来ています」


「どうせ優先的に入れてくれと言うんだろう。帰ってもらえ」


「はあ、しかしその前に、この手紙を見せるようにと」


「?」


『二週間前、一緒に寝た仲なのを忘れたの?』


「!?、あー、うう、最優先で便宜を図ってやってくれ。それとここへお通しするように」


お嬢さん「こんにちは」


「あー、こんにちは、お嬢さん。しかし、その、二週間前と言うが、どこでお会いしたのか記憶が……」


「あれは二週間前、党大会の日。書記長が演説してる時、私は党員席、あなたは幹部席でぐっすり寝てました」

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