第17話

「アカリさんに私の管理している記憶を

全部差し上げたいんですよ」

男は無責任なことを堂々と言った。

「アカリさんはもう命を記憶のことで

既に狙われていらっしゃるんでしょう?

それじゃあ私から記憶を譲り受けたって

どうってことないじゃないですか、違いますか」

「ええ、まあ」

アカリは返答に窮した。

「その代わり命を七つ差し上げます。

アカリさんも不死身ではないんでしよう?」

男の説得にアカリは折れそうになった。

たしかにそうだった。

アカリも不死身ではなかった。

全体細胞再生能力にも限界があったのだ。

「それじゃあ、いいですね」

男がそう言い残して立とうとしたとき、

突然、空間に大きなナタがあらわれた。

ナタがゆっくりと回転を始める。

そして勢いをましたナタが男の

首目掛けて飛んで来た。

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