14 大臣と電話

『もしもし』


「僕です。ガラス固化体、確保しました」


『ありがとう。それよりも、今、近くで、誰か、死んでないかしら?』


「お。よく分かりますね。コンビニ近くで過労で死んでる男がひとり。います」


『蘇生させて。なんとしてでも』


「え?」


『やばいのよ。官邸の新規サーバにハッキングがかかってる。このままだと、ガラス固化体の兵器化についての情報が盗まれた上で公開されてしまう』


「うわ。すごいですね。トラフィックは?」


『そこのコンビニ近くなのよ』


「いま僕、電子機器を無効化させる銃持ってるんですけど、死体に撃ち込んでみますか?」


『やめて。ハッキングはクラウド上で行われてるの。バックドアからハックシステム全体に停止の命令をかけないと止まらない』


「え、よくわかんないな。つまり、どういうことですか?」


『その目の前で死んでる男を、なんとしてでも生き返らせて』


「いやいや。死後硬直始まってるレベルですよ。生き返らないですって」


『しかたないわね。機密を使いましょう』

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