13 殺し屋もそれを見る

 女の悲鳴。


「あ?」


「悲鳴だね。聞こえた」


「なぜ悲鳴をあげる。後は逃げるだけだろうに」


 悲鳴のもとへ走る。


 女。


 コンクリートに泣き崩れている。


 その近くに。


 死体。


「僕が確認する」


「頼む」


 銃を渡す。


 周りを警戒した。


「死んでる。死後二時間から三時間。過労と飲酒によるショック死だ」


「珍しいな。このご時世に過労で死ぬとは」


 警戒を解き、女に近付く。


「無念だったな」


 なるべく、やさしく。声をかけた。ついでに、近くに転がっているガラス固化体を、手に取る。


「大臣に電話だ。ガラス固化体確保」


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