11 尋問される一番
「おい。起きろ」
微かな意識。
「やめろ」
かろうじて、声だけが出た。身体は動かない。
男が二人。倒れ込んでいる二番を、起こそうとしていた。
「おっ」
「こっちのが撃ってきたのか」
男。
二番を起こそうとするのをやめ、こちらに向かってくる。
「動くな」
また、声。
重たく、心に響いてくる。
「あんまり負荷をかけちゃだめだって」
「いや、どうやらこいつは芯が強いらしい。多少強く訊いても大丈夫だろう」
片方。喋る度に、全身を重たい袋で押さえられているような、感覚になる。
「さっき撃った銃弾。あれはなんだ」
声。
逆らえない。
「ゴム弾。二番から、もらった」
勝手に、口が。動く。
「二番というのは?」
「その女性だ。殺さないでくれ。二番だけは。頼む」
「そうか。こちらの訊くことに答えれば殺さないでおこう。もう一度訊く。この銃弾はなんだ」
「ゴム弾。数秒だけ、電磁パルスを起こす、らしい」
「EMPのゴム弾か」
「すごいな。だから僕の端末が動かなかったのか」
「そのゴム弾と、銃を寄越せ」
身体。動かない。
「身体が動かないってさ」
「まあいい。銃だけもらっていくか」
もう、意識も。動けない。
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