散りてなお

作者 吾野 廉

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★★★ Excellent!!!

新選組の歴史の中でもドラマチックなエピソードとして知られる山南敬助の脱走劇。
ドラマチックだけど、なぜ彼が脱走したのか、どんな思いで切腹したのか、ということは謎に包まれています。本作は、その山南さんの最期に迫る作品。

短い文章の中に、山南さんの苦悩、迷いが凝縮されていて、「ああ、そうだったんだあ」とストンと心に落ちてきます。後半で描かれる沖田さんの思いや葛藤も、切ない哀しみと共に読者に伝わってきます。

時代小説の名手・吾野さんの新選組作品、ぜひご覧あれ!

★★★ Excellent!!!

意地だったのか、気概だったのか、かすかな意趣返しでもあったのか、ある意味贄となったのか。武士としての落とし所を、ようやく見つけたのか。

山南と沖田の視点から、脱走事件が語られます。
「こういうこと、よくあるよなあ」
時代、問題は異なっても、集団の中で必ず生じてくる問題でもあり、それぞれの心情が察せられるから、なおやるせない。

たった7000字のなかに込められた「もの」の大きさを、ぜひ。