第6話 ひどい天気

今日は晴れている。とんでもない晴天だ。

こんな日はうんざりする。洗濯をしなくてはならない。物干し竿に吊るされた衣服をひとつずつ、ピンチから外してホイホイと布団の上に積む。服の山の前にさて正座をすれば、あとは裾から引っ張り出して折り畳んでいく。傍らではゴウンゴウンと怒り出す洗濯機が晴天の冬場、ベランダの物干し竿、カラフルなピンチに干されるため、脱水を始めていた。

ティシャツは袖を中に、適当に適当に畳んで、いい加減なサイズにまとめて積み重ねる。一番上に靴下と下着がくるように、一番下にスウェットの上下がくるように。種類を混ぜないように。

積み上がった畳んだ衣服はそのまま夫の部屋のソファに置き去り。タオルは丸めて置き場へ詰める。

それでもまだ洗濯機は奮闘中。私はゆっくり時計を見上げながら食事の内容を決める。


ひどい天気だ。うんざりする。雲だってひとつない。


窓を開けるとカラカラと音を立てる。息は白く、網戸を通り抜けていく。鳥の黒い影が高く鳴りながらスッと飛んでいく。

脱水し終わった洗濯物がカゴの中で折り重なって捻くれたまま絡み合っている。指でつまんで解いたらパツンと弾くように振りかぶる。伸びきったそれを左にひとつ、右にひとつとピンチで挟んで干していく。繰り返し、繰り返し、繰り返す。


どこか遠くでだれかが笑いながら、道を通り過ぎる。

「いい天気!」



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