本作は文明崩壊後の未来世界を舞台として、植物から生まれたという白髪の少女が自身の力や秘密と向き合いながらも、懸命に生きていこうとする物語です。
孤児院で母や他の孤児たちと暮らしていた少女でしたが、その力に目をつけた盗賊に襲われ、兄とともに魔法使いの家へと逃げ込みます。
最初は無愛想な魔法使いに不満げな二人でしたが、そこに世界の秘密を知る女性も加わり、二人は人質とされてしまった家族を助けるための修業に励みます。
そして、時折見え隠れする魔法使いの不器用な優しさに触れ、自身の存在を肯定できた少女は、兄や女性とともに救出作戦に挑むのでした。
果たして、少女たちは無事に家族を救うことが出来るのか。少女の歩む先にはどんな未来が待っているのか。
近未来もの、魔法もの、そして頑張る少女が好きな方には特にお薦めの作品です。
本作の主人公シエラは生命の樹から産まれた白い髪の女の子。
彼女はその怪しすぎる出生や髪色から村の人にいじめられることもしばしば。
しかし、それでもシエラは自分が育った孤児院の仲間と平穏な日常を送っていた。
そんなとき、孤児院が盗賊に襲われる。
そして、その出来事は物語のほんの序章に過ぎないのである。
シエラはこの出来事をきっかけに新たな仲間に出会い、己や世界の真実について少しずつ知ることになる。
数多の試練の末にシエラがつかみ取る未来とは……。
以上が概略である。
この作品の魅力は作りこまれた世界観だ。
おそらく作者の中村様は実際にこの世界に住んでおられるのだろう。
そう思うくらいリアルなのだ。
この物語のキーポイントの一つである魔力についてもしっかりとした設定があり、作中人物の発言やコメント欄での作者の補足コメントでより深く作品を理解することができる。
また、心理描写や情景描写が逸脱だ。
ゆえに、物語の中に自分が入り込んでいるかのように感じるだろう。
個人的には、食事のシーンがお気に入りだ。
思わず食べてみたくなるような料理が出てくるのだ。
……残念ながら、ジャウロンは現実にはいないので食べることはできないのだが。
そして、なにより作者の中村様はコメントで質問をするときちんと的確に返信してくださるので、これから読み始める皆さんはぜひコメントしてみるといいだろう。
人と違う生まれを持ち、周囲から枯れ木と呼ばれていじめられていたシエラ。だが、孤児院で兄のように育ったユーリと育ての母の愛をうけ、逞しく育っていく。そんなある日、盗賊に孤児院を襲われ、助けを求めた先で一人の男と出会う。彼との出会いを皮切りに運命は動き始め、やがてシエラは国を巻き込んだ事件にその身を投じていく──
特筆すべきは世界観やキャラクターの練り込み具合が半端ないことです。特にキャラクターの作り方は、個人的にWEB小説では類を見ないと思った程。一人一人に役割があり、誰が欠けてもチームが成り立たないと読者に納得させる力があります。
だからこそ、キャラクターと共にスッと物語に入り、彼らと一緒に一喜一憂しながらページをめくることができます。
熱狂的なファンがつくのも頷ける面白さ。
長めの物語ですが、最終戦の緊迫感と没入感はぜひ読んで味わってもらいたい!
また、主人公のシエラが愛情をたくさん持っている子でたまらなく可愛い。
この世界には人種という概念がありますが、人と違うことにより孤児院でいじめられていたシエラは、どの人種であっても平等に仲良く笑い合える世界を望むようになります。物語の世界だけで完結するのではなく、読者にも勇気をくれる言葉がたくさん書いてあるのもこの作品の特徴。
1から10までどっぷり浸かってもらいたい本作品。ぜひ一度はお手にとってみてください。
明るく元気で純粋で、ちょっと食いしん坊な(笑)女の子シエラちゃんが主人公の地球の未来を描く物語です。
その練りに練り込まれた物語の核となる設定が本当に素晴らしく、読み応えたっぷりです。
そして、魅力的な登場人物たち!!
これは決して忘れてはなりません。
個人的に大好きなサミュエルという登場人物がいるのですが、彼が出てくるだけで心が激しく踊ります!!
あとほっとけないイーヴォという彼もいます。
彼を家に連れて帰ってずっとお世話したいです(笑)
アイザックも大好きで、みんなよりちょっと年上だからか、本人も気にしてる感じがあり、そこも可愛く(笑)、でも能力を使う時はとにかくかっこよくて!
龍人という凄まじい人物(笑)がいるのですが、読んだらきっと彼が頭から離れません!!
他にも様々な魅力溢れる登場人物がたくさん出てきます。
使う攻撃もみんなとにかくカッコいい!!
物語にもドキドキさせられる最高な作品です(*^^*)
今自分達が暮らしているこの世界についても考えてしまうというテーマ性も大きい作品です。
ぜひこのワクワクな物語に触れてみてください!!
人種差別的な内容を含む作品です。ライオット、レムナント、シルバー、ガーネット、などなど、人種ごとの階級がある世界。
ある人種が「この人種には価値がない」として暴政を強いたり、命を無下に扱ったり、自分が特別だと思うことは当然だというような思想を持ったり。僕たちのいる現実世界でも起こっているような問題を、童話のような語り口で丁寧に書いてくれます。
作中に色濃く出るのは「人種差別」的な思想だと僕は思いました。主人公たちはこのある種の「選民思想」に抗っていく。
この作品は、本当に自由だと思います。同時に愛の塊でもある。
全ての人間を平等に愛して、その自由を守り抜く。
作中の「田中龍人」というキャラクターに僕はとてもシンパシーを感じました。自分の知識欲のままに振舞う。主人公のシエラが愛の象徴なら龍人は自由の象徴だった。
本作において描かれる愛は本当に平等です。それは全員に同じ下駄を履かせる、という意味ではありません。一人一人の個性に合わせて、高さの異なる下駄を履かせて、同じような景色……一つの理想を見せる。そんな公平性です。
作者はきっと、どのキャラクターも大好きなのでしょう。個性豊かなキャラクターたち。あなたもきっと、誰かを好きになるはず。
気になった方はぜひご一読を。
一万年後の地球、そこは魔力が――より強い魔力が、それを持つ者が上に立つ秩序が形成されていた。
魔力を持つ者、それは生まれにより、血により決まる。
そんなポスト・アポカリプスの世界の片隅に生きる少女、シエラ。
彼女は孤児院に育ち、その外見から「枯れ木のシエラ」と呼ばれていた。
しかし、シエラは、ユーリをはじめとする孤児院の人々や、その孤児院の危機に知り合った孤高の男サミュエルといった、個性豊かな人物と巡り合い、触れ合い、時に反発し、時に繋がり、その出生をめぐる謎を、魔力を持つ王の打倒を目指し、奮闘する。
「生命の樹」から生まれたとされる、シエラの出生の謎とは?
この世界を支配する者たち、その魔力を持つ血――ゲノムとは?
謎を追い求めるシエラと仲間たちの冒険が繰り広げられ、あたかもゲノムの螺旋のごとく、謎と冒険とが絡まり合い、読む者を飽きさせません。
今、佳境を迎えようとしているこの物語、ぜひ、ご覧ください!
初めまして。この度イベントに参加させていただきまして、その縁で作品を読ませていただきました。私自身は全くの素人ですが、せっかくなので読んだ感想を書かせていただきたいと思います。
周囲の風景の描写が丁寧で、登場人物達がどういう場所にいるのか。その時にどんな気持ちだったのかが分かりやすく書かれていて、とても良いと思いました。個性豊かな登場人物達の会話もそれぞれのらしさが出ていて、楽しめています。
一つ気になったのは、最初のシーンでの回想中に、もう一度回想が入ったところです。最初の回想の中でいじめられてやり返したという回想がもう一つ入り、少しテンポが悪くなったように感じました。個人的には回想は、いじめられてやり返したシーンから始まり、その後に親が仕返しにくる形の方がトントンと進むかなと思いました。
素人の癖に長々と書いてすみませんでした。今後の展開を、楽しみにしております。
主人公のシエラを中心に、とにかくキャラクターが魅力的。
純粋な心を持つ少年少女から、一癖も二癖もあるマッドサイエンティスト(?)まで。
物語が進むにつれ大所帯になっていっても、きっちりと書き分けられた個性は色褪せない。
ストーリーも常に明確な目的が提示されるので、この先を期待しながら読み進められる。人物の知られざる過去や世界に隠された謎など、飽きさせない工夫が読者に優しい。
悲しい過去や恵まれない境遇にもめげず真摯に生きるキャラクターたちの姿は逞しく、心が揺さぶられる。励まし合う仲間たちに、心を熱くせずにはいられない。
愛の込められたキャラクターたちが舞う世界をぜひ堪能しよう!
遠い先の話です。
孤児院のシエラとその兄ユーリが不思議な世界で幸せに暮らしていました。
けれども、孤児院が襲われた為、母に地図を託されて逃げるしかありません。
そこで出会った人はサミュエルと言いました。
あるとき、サミュエルとシエラの心を通じあわせるものがありました。
クロムオレンジのときです。
愛情についてなのでしょう。
孤児院の母を失ったこのとき、シエラは胸がきつかったと思います。
けれども、サミュエルのひとつひとつの思い遣りが沁みて来ます。
そして、クロムオレンジが綺麗であたたかいアイテムとして巡っています。
私は、このときのシーンを色鮮やかであたたかく感じました。
是非、ご一読ください。
ある日、自分の居場所である施設が盗賊によって襲われ奪われてしまったシエラとユーリ。
必死に2人を逃がそうとするお母さんは、「ここを訪ねてくれ」と紙を手渡します。そこへ行くと、なんとも気怠く他人への興味が一切ないように見える男性が1人。
しかも、その人の家の前で、最悪なことに盗賊もやってきて……?
無鉄砲で家族想いなシエラ。
誰かのために強くなりたいと願うユーリ。
不器用な優しさを秘めるサミュエル。
そして、私の推しの(笑)、楽しいことが大好きな天真爛漫なトワ。
物語が進むにつれ、仲間が増え、そして、シエラの出生の秘密も出てきます。
13歳のシエラは、どこに向かうのか?
今後の展開も楽しみです!