第5話
これは……もしかして……。
まさか強盗犯だったりして?
女の勘ってのはよく当たるのよね……。
この人帽子深めに被ってるし……。
しばらく考え込んだ後、モニター越しに返事をした。
「はぁ〜い!」
「お荷物のお届けで〜す!」
すると、配達業者らしい返事が返ってきた。
返事は普通に元気そうだし、怪しい感じはないわね……。
これじゃあまだ、わからないわ。
もしちゃんとした業者さんだったら失礼だし……。
あ、そうだ、試しに何か聞いてみようかしら?
私はインターホンの前にいる、中くらいのダンボール箱の荷物を持った男が、強盗犯か分かる取っておきの質問をしてみた。
「その荷物、北海道からですかぁ?」
「はいそうで〜す!」
「そちらは佐々木様からですかぁ?」
「はいそうです〜」
「中身はなんですかねぇ〜?」
「カニです」
あら、これはビンゴ!
強盗犯に間違いないわ。
何故かって?私は今全て適当に質問をしたの。デタラメを言ったのよ。
北海道なんて、その場の思いつきだし佐々木ってのは私の劇に登場する悪役の名前ね笑
つまりね、北海道から架空の人物が出した荷物なんて届くはずないの!今作ったデタラメなのに全部ハイって答えるなんて有り得ないでしょ?
つまりコイツは……。
間違いない!強盗犯よ!
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