成れの果ての歌

しりとりあそびでたわむれる

子供たちに声かけて

言葉尻ことばじりとらえるのやめろ」と

激怒げきどするのは

会社かいしゃ精神せいしんころされた

まめで真面目まじめ好青年こうせいねん

なれの


「いちいち言葉尻ことばじりとらえるのやめてもらっていいですか?」

「もううんざりなんです」 なみだ砂場すなばにぽたりとちて

それに呼応こおうするように、遠方えんぽうから音が


『カンカンカン、用心ようじん

遮断機しゃだんきがわんわんわめく、近所迷惑きんじょめいわくいささかも考慮こうりょに入れず

ちからいっぱいてんまでひびけどこまでも


ざといカラスがくろ茶々ちゃちゃ入れる

『どこでおぼえた、その言葉』

血走ちばし目玉めだま明滅めいめつはリンゴのように赤々あかあか

『オリジナルだよ、オリジナル』


――関係かんけいないですよね、言葉尻ことばじりは――なんでそれで人格じんかくまで否定ひていされなきゃいけないんですか? ――ゴリラとラッパが、どこでつながるんです? ――わたし人間にんげん以下いかだというのはやめてください――私をほらきだといのはやめてください――


『カンカンカン、用心ようじん

よこから電車でんしゃまいります』

きたいところの一致いっちした、ひとひとひとひと

とまらない、とめられない、カンカンカン、対岸たいがん火事かじ


もうわけありません、もうわけございません」

あやまってばかりいるな? じゃあどうしろって言うんですか」

「パンツをいで露出狂ろしゅつきょうにでもなればゆるしてもらえるんですか?」

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