見方の片想い

一角獣の穂先

胸を貫く寸止めの

ら抜き言葉みたいに

見方分かれるその懐の深さ


どんとこいどこまでも

マイマイのてんてこまいは

息殺さないと感じられない域


挟まれたトマトは赤黒いジュレを吐き出す

約束ごとで俺をがんじがらめにしないと

約束してくれ、頼むから


移り気なやどり木が

郷に入りては自己主張

我、カッコウであることになんら

恥ずることなし


好きなんだか

仕方がないじゃないか

本能なんだか

仕方がないじゃないか


仕方がないことはない

うららららかな春の光の中で

焼けた火箸で私の名前を刻み込む

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