会話形式

会話形式で進むこの夕暮れの

返答待ちのあなたの横顔


夕日に揺れて、風でなお揺れる稲穂たち

頬を寄せ、囁き交わし

友愛と停滞に賛歌を贈る


友達以上と恋人未満が

指切りしようとしたけれど

不履行に小指が怯えて

互いに相手をはなせない


遠くを走るモノレールは

レールを抱き締めて

金切り声を発していた


顎の下で息を吸い込んで

台本に目を落とし

次の台詞を盗み見た


逆さ言葉の解読は

天の邪鬼には簡単で

息をするよりも容易い


なのにどうしてだろう

台詞はえら呼吸に置き換わり

場を繋ぐのは、夕日の傾き、そればかり

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