瓶詰め至極

微炭酸と備長炭を

抱き合わせ

瓶詰めにして送ります


入り込む細かな泡は

閃くように弾けて消えた

灰色の脳細胞は邪推しがちの

一人勝ち、滝壺仕込みの

うたかたあぶくが

死者と生者を入れ換える


ラベルに記載された製造年月日と

きつく閉められた蓋が

あなたの心と手首にコネクトする


閉めたあの手と開けるこの手

記載者と開封者、心通わせ粟立つ身体

保存料が懸け渡す、新鮮な鮮烈さ


花言葉にお花を添えて、あがなうあがなう愛の泡

天の邪鬼の伝言ゲームが人を押し花に変えていく


タオルケット結びな囁く、かわいい赤ちゃん

手折るそっと倒れな雛菊、無意識赤ちゃん


月輪、月輪、また月輪、月輪越しの喉越しを

一輪、一輪、また一輪、一輪挿しで喉元に


備長炭を微炭酸で割ったカクテルの喉越しは

まるで風鈴のように涼しげな夏至祭

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