ミロクのダイアローグ⑨夏の日に芽映える雛たち
「あの……おふたりは少年少女にしか見えないのですが、準社員にスカウトされたことから察するに、確実にアタシより
百七十センチの大台に乗る前に、早く成長期、終わってほしいって
「
「ミロクちゃん、鋭いのね。有病率が成長期に限局されて多いのが
おふたりとも、前向きに
★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★
「でも不思議。三年越しでマダム・チェルシーを追いかけていたのに、アタシたちは
「それは……」
月彦さんはカタチの
このヒトは他にも色々、
「ねぇ、何故?」
「……ライヴ中、低血糖発作を起こしたんだ。最前で失神して救急車で運ばれた十九の青い夜以来、特別席から観ていたからサ」
特別席? 何それ!?
「アリーナ席みたいな感じかしら」
そんな席、ライヴハウスに無いけれど。大抵、オール・スタンディングなんだもの。月彦さんはオーガニック・ティーを苦そうに、お口の中で転がしている。
「これを云うと
「思わないから教えてよ。教えてくれなきゃ
ちょっと
日芽子ちゃんも気になるみたいよ。
大きい
「だからサ……ライヴハウスに救急車が再来したら困るだろう? 僕には
神対応。
元気になったら、またおいでじゃなくて、マダム・チェルシーは、その
或る程度、回復した月彦さんは、真正面からマダム・チェルシーを観て、その音を聴けるようになった。
そして、アタシたちは出逢えた。
「諸外国では夏が卒業シーズンなのよね。日本国の学生であるアタシには、長い長い夏休み。ワクワクしちゃう」
「僕たちには、病の日々の終わりかな。健康な日々の始まりであるとも云える」
そうね。次の季節は
「ねぇ、お店やライヴで逢うのも
舌足らずなアタシの誘いに、
少年少女は
雛鳥が巣立つように、軽やかな足取りで遊び場へ。
少年少女の遊び場。ライヴハウス。児童公園の涼やかな緑陰。
図書館や科学館、モール散歩も楽しいですね。
咲けよ咲けよと、遊べ遊べと、
夏なのに、春を行く小川の言の葉が、アタシの
「ミロクちゃん、一緒に
「
嬉しくて、力強く
そして、アタシは少年少女の仲間入りをするのね。
月彦さん、日芽子ちゃん、
おともだちになってくださって、ありがとう。
ミロクは
―終―
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