第90話 呪いの焼き印の痕(湖畔の月の城(カクヨム内)番外編)

城から見える湖畔に満月が映り

見とれてると 遠くの方で ひょこりと湖から湖に住みついてる


水竜達が長い首をもたげ 顔を出してる ・・


「あんなに大きいのに 草食で湖の藻とか食べてるらしいよ」

「 ふぅーん・・ 」とアーシュ


「ねぇ!そろそろ 姫が準備してくれた食事会に行かなきゃ♪

うふふ♪」

「今日はね 服はおニューなんだな ウフフ♪

アクセサリーも一部 新調したの♪」


二の腕の魔法の宝石が埋め込まれた金の腕輪に目をやる


「腕輪も服に合わせて ちょっと替えてみました。」


黙って、そのまま腕を捉えると 何も言わずに二の腕の腕輪を外した

夕べの夢

金の髪の彼女の赤い血と黒々とした傷で 飾られた腕


あの時のままの傷跡・・


えぐられたような幾つかの傷と 焼かれた刻まれた焼き印の文字

それは夢の中にいた黒髪の少女の名前 俺の異母妹のテイ、テインタル

「俺のせいだ・・ 」とアーシュは暗くつぶやく

「もっと早くあの時 探しだせたなら・・間に合っていたなら・・」


エイルは 笑顔を見せながら 「傷・・少しづつ・薄くなって来てるの

アーシュが 背丈を追い越す頃には きっと消える」

微笑

お日様のようなキラキラとした笑顔 でも

それはウソ・・ 魔法で焼かれた文字は焼いた本人でも・・


おそらくは消せない・・所有の呪い

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