第66話 遠い情景 アーシュの金色の瞳と黒い羽

「有難うアーシュ

そう言えば テインタル王女の黒い羽を拾って

過去見の力で 探ったって」


「・・ああ・・見せてやるよ」アーシュは優しく微笑んで

エイルの手を取る


「?」きょとんとするエイル 


一瞬 目を閉じ 再び目を開けると アーシュの瞳は金色に変わっていた


アムネジア・・テインタル王女の記憶の一部を選んでアーシュは

それを エイルの手を通して エイルの頭の中へ 映像として見せる


「ああ・・エリンシア姫様・・小さなアルもテインタル王女も・・見える」


「ふう・・」あまり この術は得意じゃないアーシュ

再び 焔の瞳に戻る


「少しだけだけど・・」


「有難うアーシュ・・」


「・・エイル・・まだエリンシア姫については 詳しくは分からない

巨人族の国は 雪深い 温かな国で育った姫には 身体には少々 辛いだろう

 

人には過ごしにくい所だ 今はどうしているかは 分からない」


「・・お前の異母姉弟の事も調べる・・会ってみたいか?」


「うん、アーシュ」


「・・・まだアルテイア姫には・・秘密だ」


「うん,わかっている」エイル


「じゃあ お休みエイル」


「アーシュ アーシュの好きな林檎もあるよ

アルからのお土産・・他にも好きなのがあったら 持っていって」


「いや、後でまた来るから その時に一緒に食べよう」アーシュ


「わかった・・後でね お休みアーシュ」


エイルが寝てしまうのを確認してから アーシュは部屋を出ていた


「お休み エイル いい夢を・・」パタン音を静かに立てて ドアが閉まる


まだ

この時は エイルの部屋から 小さな2枚の絵が紛失してる事には気がつかない


エイルの従兄のリアンの絵と

アルテイア姫とエイルと大人の姿のアーシュの絵


捜しまわって見つからず

 

結局、三人の小さな絵は 

アーシュが同じ物を持っていたので複製して

リアンの方の絵はリアンにまた送ってもらう事になる


2枚の絵を持ち出したのは 女官に化けたアムネジアだった

大事なエリンシア姫 彼女にとって大切な二人


そのエリンシア姫の土産にする為に

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る