第60話 廃墟の神殿と黒の王宮への帰還

「アーシュラン様?」アルテイシアが声をかける

ハッとして いつも焔の瞳に戻る


「・・ああ、すまない 行くよ」 黒い羽を捨てようかとも思ったが

何か 巨人族の情報がわかるかも知れないと思い アーシュは黒い羽を服にしまう


その頃 廃墟の神殿では・・

「まったく、あの水晶玉を彼らに返すとは・・何たる事ですアムネジア」

魔法使いの男はアムネジアを咎める


「もっと魔法の文様の入れ墨を加えてもよいのですよ

今度は あの巨人族の王に 抱かれるように

炎の魔法が暴走しないようにする呪いの文様を・・クククッツ」


一瞬 青くなり顔色を変えるアムネジア

だが すぐにいつも無表情の顔になる


「‥舌を咬むわ それとも剣で胸を突くわ 沢山よ」アムネジア


「魔法使い様」心配そうな顔をするランデイ


「ふっ、仕方ない 今回は大目にみましょう

次回はわかりませんよ・・テインタル王女・・アムネジア・・」


ひとまず 胸をなでおろすアムネジアとランデイ


「そうそう、先の白の国への侵略戦争 巨人族の捕虜達が

奴隷となった黒の国の者達と引き換えに帰ってきますよ


もしかしたら あのエリンシア姫の夫

王の従弟アーサー殿もいるやも知れません」

ハッとするアムネジア


もしそうなら どんなにエリンシア姫が喜ぶか 再び巨人族の王の玩具となった

エリンシア姫を 解放して 夫アーサーと子供の元に返せるかも知れない


「兵士に混ざって 迎えにいきますか? 

それとも囚われてる黒の王宮を探ってみますか?

間者として 黒の王宮を探索するなら ぜひ他の情報も探っていただきますが?」


「わかったわ 行きましょうランデイ」アムネジア、テイがランデイに向かって言う

「はい アムネジア様」

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