夜の歌【俳句・川柳・短歌】

作者 朽木桜斎

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★★★ Excellent!!!

こちらの作品には、詩歌や俳句などが収められております。
拝読させていただいて抱く率直な感想は、まさに惚れ惚れするに尽きます。

季節の訪れやその思い出。時間の流れやその刹那。雄大な自然や目の前の現実。ただただ美しい音楽に醜い虫たち。そんな、様々なモチーフが、的確な客観とやさしい主観で綴られ、読んでいるとまるで、自分が自然の一部になるような、あるいは感覚が束の間、消失するかのような、そんな不思議な体験ができます。

こちらの作品には、四季折々に感ぜられる五感のすべてが込められていると言って、それは言い過ぎではないと、私は思います。

俳句というと、その一瞬を切り取るものというイメージが私のなかにあったのですが、それが、がらりと変わりました。
日向に夜を感じ、深夜の静けさに朝を感じるようで。

また、歌にはそれぞれ作者様の解説が添えられており、短歌や俳句がはじめてという方でも安心して読むことができます。またこの解説が、プチエッセイという感じですごく面白くて、季語のことや日常の小噺、歌を閃いた経緯などなど、本当に興味深いものばかりで
こちらはこちらで楽しみになってしまいます。

ほんとうに素敵な作品ですので、ぜひぜひ読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

秋の夜長だけではありません。
一年を通じて思索する作者様の「日常」が「歌」に結実する世界です。
BGMにはマーラーの『交響曲第7番ホ短調』が似合うように思われます。

人生という路の一コマ一コマ、喜怒哀楽にとどまらない感情が流れる謳歌と恐怖と諧謔の世界。
人は時として「自分を支える杖」を自分で作らなければ生きていけないのかもしれません。
そんな杖のような気持ちを感じました。
人生の杖が必要だから、きっと私たちは思索するのですね。