臥待

臥待ふしまちの つきわるる つじかい


<解説>


 「辻神つじがみ」という妖怪の伝承があるように、辻=十字路、かどには、魔が宿ると古来よりいわれます。


 臥待ふしまちの月を見ようと外に出たが、雲が少しかかっている。


 ひょいと向こうの十字路のほうに目をやると、なにやら人影が。


 なんだか背筋が寒くなってきたところに、雲がどけて、臥待月ふしまちづきが輝きました。


 すると、あれ、四つ角の人影は、月を見ていたほんの少しの間に、消え失せている。


 逆にこわくなりつつ、もうしばらく、臥待の月をながめていました。

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