「交響曲 第4番」 マーラー
<タイトル>
交響曲 第4番 ト長調
<作曲者>
グスタフ・マーラー
<おすすめ盤>
エディタ・グルベローヴァ(ソプラノ)
フィルハーモニア管弦楽団
ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)
<解説>
グスタフ・マーラーの交響曲群の中にあって、その軽快さ、さわやかさから、オアシスのようにも取られているナンバーです。
全4楽章であり、終楽章にはソプラノ独唱が置かれ、天国の情景が描写されます。
その歌詞は彼が幾度も題材にしている世俗民話集「子どもの不思議な角笛」から取られております。
2&3番にも「角笛」が歌詞として使われているので、この3曲はまとめて「角笛交響曲」とも呼ばれます。
先に述べたとおり、一見軽快でさわやかな音楽ですが、ある意味でこの曲は、マーラーの作品の中で一番グロテスクかもしれません。
中身を見た目でおおっているというか、それはあたかも、人間そのものを象徴しているように感じてしまいます。
特に第2楽章のスケルツォでは、フィドルという大衆酒場などで使用されるヴァイオリンに似た弦楽器が、第1ヴァイオリン首席奏者の持ち替えで使用されます。
この部分は「死神のダンス」を描写していると言われ、その様子を想像しながら聴くとギョッとしてしまいます。
ただ、マーラー先生はけっこう楽しそうに踊っているイメージですね(汗)
この世界観がマーラー好きにはたまらなかったりします。
第3楽章は目覚まし時計代わりに最適です(コラ!)
第1楽章はサンタさんがやってきたみたいでかわいいですね(汗)
ニコニコしながら近づいてきて、突然懐からナイフを取り出すような音楽とでも申しましょうか。
とにかく外見とは裏腹にかなりデンジャーな印象です。
おすすめは精神科医でもあったシノーポリの全集からです。
マーラーの精神構造に共鳴するところがあったのか、たとえば先のスケルツォの「演出」はゾクゾクして面白いです。
ソリストはコロラトゥーラ・ソプラノとして有名なグルベローヴァさんです。
狂気的な役柄を演じることの多い彼女を起用したのも、何か意図するところがあるような……
意外にもというかホラーな楽曲なので、夏に涼を取りたいときなどにいかがでしょうか。
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