「ファルスタッフ」 ヴェルディ
<タイトル>
歌劇「ファルスタッフ」
<作曲者>
ジュゼッペ・ヴェルディ
<おすすめ盤>
クラウディオ・アバド(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
<解説>
イタリア・オペラの王さまヴェルディの最後のオペラであり、原作はウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ウィンザーの陽気な女房たち」や「ヘンリー4世」などによります。
台本は作曲家として歌劇「メフィストフェレス」などを残したアッリーゴ・ボーイトが書きました。
ヴェルディのすべてのオペラの中で、喜劇はたったの二作しかなく、この「ファルスタッフ」はその二作目になります。
第一作になる喜劇は彼のキャリアの最初期に発表され、これが大失敗に終わっているのですね。
そんなトラウマのあるジャンルを最後のオペラとして選んだのは、ヴェルディが仕事の集大成と考えたからなのか、とにかく意味深く感じます。
内容は宿屋に居座ってろくに金も払わない老騎士ファルスタッフを、取り巻きのキャラたちがぎゃふんと言わせるものになっています。
劇的な展開や壮大なアリアなどは出てきませんが、ヴェルディの円熟した書法が楽しめる滋味深い傑作と言えます。
ラストで登場人物の全員が歌う「この世はすべて冗談なのさ」は圧巻の一言です。
ひとりひとりがパートのフーガ(「カエルの歌」の高度なものとよくたとえられます)になっており、最後には合唱となって幕は閉じます。
これがヴェルディの最後に表現したかったものなのかと思うと、なんだかこみあげてくるものがあります。
その歌詞の意味するところはあまりにも深すぎます。
おすすめはカラヤンの複数の録音やジュリーニなど名盤ぞろいですが、ここではあえてアバド盤を。
イギリスの名バリトンであるブリン・ターフェルさんをファルスタッフに迎えた新鮮な一枚です。
ジャケットのセンスもかっこいいですね。
ヴェルディの作品としては短いほうですし、喜劇なので鑑賞しやすいかと思います。
個人的にはファルスタッフの従者であるピストラとバルドルフォのキャラがかわいいですね(汗)
まったりしたいときなどにいかがでしょうか。
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