「チェロ・ソナタ 第1番」 ブラームス

<タイトル>


チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 作品38


<作曲者>


ヨハネス・ブラームス


<おすすめ盤>


ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)


<解説>


 ブラームスのチェロ・ソナタは、現在伝えられている番号つきの2曲のほかにもあったそうですが、完成度に満足できなかった彼自身の手によって、完全に削除されたそうです。


 いかにも芸術家なエピソードですが、音楽ファンとしては聴いてみたいというのが本音です。


 さて、この第1番はブラームスが実に三年の歳月さいげつをかけて作曲した体裁上ていさいじょう最初のチェロ・ソナタであり、緩徐楽章かんじょがくしょう(ゆったりとしたテンポで穏やかな曲調の楽章)を置いていないのが特徴です。


 そのようにしたのは、偉大な先輩であるベートーヴェン先生のやり方にならった形ということです。


 全三楽章で構成されますが、出だしからいかにもムッツリスケベのブラームス先生っぽい(失礼!)チェロのモノローグが導入されます。


 聴いていくうちにどんどん世界観が変容していくようで、その様子は圧巻あっかん一言ひとことです。


 全体として長めではありますが、鑑賞しているとぐんぐん引き込まれることうけあいです。


 おすすめはジャッキーの愛称でしたしまれた夭折ようせつのチェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレさんの諸録音です。


 彼女はこの曲をライブを含め何度も録音していますが、いずれもすばらしい名演になっております。


 秋の夜長にチェロとは決まり文句ですが、やはりこたえられないので、もしよろしければ。

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