「悪魔のトリル」 タルティーニ

<タイトル>


ヴァイオリン・ソナタ ト短調 (通称「悪魔のトリル」)


<作曲者>


ジュゼッペ・タルティーニ


<解説>


 「悪魔のトリル」は、イタリア・バロックの作曲家でヴァイオリニストであるタルティーニの楽曲の中で、もっとも有名な作品です。


 この特徴的な通称の由来は、タルティーニの夢の中に悪魔が現れ、ヴァイオリンで世にも甘美な旋律を奏でたので、目が覚めた彼は急いでそのメロディを楽譜に書き写したという、心をくすぐられる逸話からきています。


 ほんまかいななストーリーですが、音楽を聴いていると、その甘くも影のある美しさに、ついつい信じてしまうことうけあいです。


 バロック時代の曲とは思えないオーバーテクニックで書かれており、現代においても難曲とされ、かつヴァイオリニストの重要なレパートリーのひとつに数えられています。


 三楽章構成になっていますが、特に第三楽章だけを「悪魔のトリル」と呼ぶこともあるようです。


 「トリル」とは音楽用語で、異なる音を小刻みに震わせるように演奏する技法のことですが、とにかくトリルの連発で弾いている人はいかにもつらそうです。


 しかしながら、聴いているほうにとってはゾクゾクを禁じ得ません。


 いわくのある曲だけに、マンガや映画などではネタにされることもしばしばです。


 こういうちょっぴりホラーなクラシックも乙なものです。


 おすすめ盤は特に指定しませんが、手の届きやすい音源をたどるのがよいと思います。


 ヴァイオリニストだったらこの曲を演奏したくてしかたがないイメージですし(汗)

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